みんな元気になりますように 2

SunFlower(花屋とギャルソン)K5 ページ32

「ひろみつ、お誕生日おめでとう」


声の聞こえる後ろをふりかえり、本当に驚いた

今日は帰って来れないと聞いていたたいすけが大きな花束を持ってそこに立っていた



「たいすけ…」


びっくりして、呆然と椅子に座ったままいると、


「間に合って良かった

これ、お祝い
ひろみつに…」


手渡された花束は、たいすけの腕でも抱えるのが大変そうなほどに大きい、たくさんのひまわりだった

「すごい…ありがとうたいすけ

…でも、びっくりした
今日は帰れないって言ってたのに」

「うん、
打ち合わせが早めに終わればなんとかなりそうだとは分かってたんだけどね、

がっかりさせちゃうといけないから、万が一のことを考えて、そう言っておいたんだ」




「そっか、そうだったんだ…

あ！あのね、たいすけ

今、3人が用意してくれたケーキ、お店の人が持って来てくれたとこだよ！」


「うん、見てた

ひろみつと一緒にいてくれてありがとう、俊哉、玉」

「俺たちがそうしたかったんだよ

ガヤも仕事キャンセルするべき！って、思ってさっきまでムカついてたんだけどね

でも、間に合わせるってメール来たから

本当嬉しかった」


そうだったんだ

それで、玉は途中からご機嫌だったんだ


俺のためにそんな風に怒ってくれて、なんて玉って優しいんだろう


「大切なひろみつの誕生日に、俺がそばに居ないなんてできるわけないだろ？
超特急で帰って来たよ」


「よかったなあ、キタミツ」

「間に合ったから許してあげる、ガヤ
それにしてもひまわりってこの時期にもあるんだね！かわいー！」

「うん、ぎりぎりなんだけどね、9月まではほんの少し流通してるんだ

太陽みたいに人を明るくしあわせにする、ひろみつにぴったりだと思って絶対にこれがいいなって」


「うん、間違いない
みつは、そこに存在するだけで人を笑顔にしてくれる」


「そんなこと…
でも、そう思って貰えて嬉しい…ありがとうたいすけ……」

びっくりしすぎて良く分からなくて、やっといろんなことが飲み込めて来たら涙が出て来た

くすんと鼻を啜っていると、めちゃめちゃ優しい瞳でたいすけに見つめられてまた恥ずかしくなってしまう

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