みんな元気になりますように 2

SunFlower(花屋とギャルソン)K2 ページ29

「きたやまさーん、お誕生日おめでとうございます！！」

賄いの時間

女の子たちとニカが、クラッカーを鳴らしてお祝いしてくれた


「ひろみつおめでとう！！
このケーキは俺から」


「わあ…
よこーさん、ありがとうございます！みんなありがとう！」


「ええっ？！ってかこのキャンドル！！
北山さん、30歳になるんですか？？うっそー
どう見たって20代前半…なんならティーンに見えますよ」

「見えないだろ！」

見た目が若いって、男にしてみればちょっと損してる気がする

30にもなれば、もっと箔がつくもんだと、昔は思っていたのに


たいすけに比べたら…
俺は理想の自分とはまだまだかけ離れているなあと凹んでしまう


「いいじゃないですか！
若く見えるって得しかないですよ」
女の子が言えば、

「そうですよ！
北山さんにはずっとかわいいままでいて欲しい！」

どさくさに紛れてニカが言う

「ニカにかわいいって言われても嬉しくないぞ」

「えー、北山さんいつも藤ヶ谷さんとかに言われても何も言わないじゃん」

「…たいすけは同い年だからいいの」

「いっつもえこひいきー」

図星を突かれて、図らずも顔が赤くなってしまう

二階堂はこう見えて良くいろんなところを見ているから、気が抜けない


それでも、キャンドルに火を点けてなかなかに良い声でバースデーソングを歌ってくれるニカ

女の子たちからはかわいいバースデーカードももらって、

上京して約一年で、まさかこんなにあったかい職場であったかく仲間にお祝いしてもらえる日が来るなんて、

夢にも思っていなかった

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