みんな元気になりますように 2

7人旅行11-F-Last ページ25

朝起きた時、ほとんどそのままの体制で眠っていた俺たちを、

なぜか汗だくの宮田と、耳の赤い千賀、手で口元を覆っているニカ、朝の光を浴びて真っ白な肌の玉のにやにや顔と、苦笑いの渉が囲んで見守っていた



その気配に俺が先に気付き、きたやまの肩を叩いて起こすと、
俺の首に巻き付いていたきたやまは、



「は、え…あぁっ！」



状況を理解すると顔から湯気が出そうな勢いで赤面し、慌てて俺から離れて、布団で顔を隠している



「……いつもそうやって寝てるの？」


玉が聞くので、「え、まあ」と素直に答えると、「まあじゃねえ！」と布団から顔を出したきたやまにどつかれた

きたやまから先にくっついて来たくせに、とは言わずにおいたけれど全く理不尽だ







それからレストランの半個室のような部屋に案内してもらい、全員で朝食を食べた

流石に私服に着替えたものの、テーブルの隅にちょこんと座っている姿が、なんだろう、本人は可愛さなんかかけらも狙っていないのだろうけど、かわいい


宮田の影に隠れるようにして、黙々と食べているきたやまの前にはベーコンやらなんかわからないけど肉の塊が乗っていて、朝から食欲は旺盛のようだ


食事が終わると、入りの早いメンバーもいるので、みんな帰り支度をする



　

「あー、もう、ちょっといろんな意味で忘れられない旅になった」


「うん、ほんと、いい旅だったね」


「温泉にも癒されたし、みつ、可愛かったし、

何より仲良しの2人が見れたことが、俺は一番嬉しい」



「もー、頼むからいろいろ忘れてくれ…」

頭を抱えているきたやま



「でも、2人が仲良い姿を見るのって、2人が考えている以上に、みんな嬉しいんだよ」


「そうそう、だから、思う存分仲良くしてよね」


俺たちのことをよく理解し、受け入れてくれるありがたい存在


本当にいい奴らだな、と思い、このメンバーと仲間になれた幸せを噛み締めた




そしてそれはきたやまも同じだったらしく、また7人で旅行しような、とぼそぼそとつぶやいていた













後日、千賀がひとりひとりに写真をプリントしてアルバムを作ってくれた


集合写真は、きたやまの可愛い浴衣姿のしかなくて、

「よりによってこれかよ」

と、ぶつぶつ言っていたけれど、

少し大きく引き伸ばされたその写真はフレームに収められ、きたやまの部屋に今も大切に飾られている









-7人旅行-


end

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