みんな元気になりますように 2

7人旅行10-F ページ24

どれくらい眠っていたのか、
ふと目を覚ませば部屋の電気は足元の間接照明だけになっていた


起き上がって周りを見回すと、先に寝たみんなはある程度布団に収まっていたが、ニカがテーブルの脇の座布団で寝入っているのが見えた


声を掛けても全く起きる気配がないので、仕方なくそばの布団に身体を転がしてやり、上からそばにあったタオルケットを掛けてやる


するとそのテーブルの反対側
には大の字で寝ているきたやま

「…もー、ちょっと、だめだろ、そのカッコ」


髪飾りこそ外しているものの、結局あのまま女の子の浴衣を着ていたきたやま

流石に大の字は恥ずかしいと言うか、開いた裾から覗く脚が艶かしくて色っぽすぎて見ていられない

まさかニカの前でこんな風だったんじゃないだろうなと、先に眠ったことを後悔する


他のメンバーにも、見られでもしたらと思うと気が気じゃなく、

くたっと力の抜けたその身体の下に両腕を入れて、抱き上げた
　

意識がない人を運ぶのはまあ重いが、運び慣れているその小さい身体を落とさないようにしっかりと抱き上げる


「ん…」



胸に押し付けられた顔と、深くはだけた浴衣のその無防備さに、くらくらしてしまいそうだった



出来るだけそっと頭を抱えて空いている布団に降ろす

それでもまだ起きないきたやまに、薄掛けを掛けて、ホッとして隣の布団に潜り込む


女の子みたいなフォルムと、少し丸い鼻と尖った唇


その横顔を見ながら、どきどきと忙しく動く心臓や、いろんな気持ちをなんとか抑えて目を瞑ると、こそこそと音が聞こえて、布団を剥いだきたやまが俺のそばにすり寄ってきた



「え…」



ぴったりとくっついたと思えば、ほぼ剥き出しの脚を俺の脚に絡ませて、安心したようにすやすやと寝息を立てて完全に寝入っている







「きたやま…いろんな意味で寝らんないんだけど…」








せっかく我慢してたのに、と1人苦笑して、諦めて体の向きを変え、寝惚けてるきたやまを腕の中に収めた

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