みんな元気になりますように 2

7人旅行7-F ページ21

「花火だ！！」

その言葉を合図にみんなが一斉に窓の周りに集まった

ドーンドーンと続けて打ち上がる音がする

「すごいねー、部屋からこの大きさの花火が見られるなんて」

「贅沢だね！」


7人一列になって窓にへばり付いた

すると、


「ねえ、部屋暗くしようよ！」



もっと花火を楽しもうと、ニカが電気を消したので、その隙を見てきたやまの手にそっと触れる





「え…」





何か言おうとするきたやまの口に人差し指を当てて、そのまま腕を引き、そっと隣の部屋まで連れ出した



間仕切りがあり、襖を引けば寝室になる、今は開け放してある隣の部屋にきたやまを引っ張りつれて行き、張り出した壁の影に隠れた






「何やってんだよ、隣にみんないるのに！」

小声ですごむきたやまの耳元で、同じように小声で言う

「そうだけど、ちょっとだけ2人になりたくて」



「…帰れば2人になるだろ」

「それまで待てないの」

抱きしめてちゅ、と音を立ててキスをする

「きたやま可愛いすぎるんだもん」

「……」


　

花火の音が思いの外大きくて、俺たちの声は心配するほどには聞こえそうもない


ほぼ間続きで、仕切り一枚を隔てただけの隣にメンバーがいると思うとものすごいスリルで、きたやまも緊張しているのが伝わってくる


それでもひとたびキスをすれば何も言わなくなるきたやまも、きっと本当はこうしかったに違いない







ドーン、ドーン、

と、絶え間なく打ち上がる花火の音と、メンバーの話し声を聞きながら、


頬に花火の光を浴びた、浴衣姿のきたやまにゆっくり唇を合わせた

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