みんな元気になりますように 2

7人旅行4-F ページ18

貸切の露天風呂は高級旅館だけあって十分な広さで、
内風呂と小さめの露天風呂とサウナがあり、メンバーは各々好きなところに散らばった

そこかしこから、
すげー、とか、気持ちいー、とか反響した声が飛び交っていて、きたやまの楽しそうな特徴的な笑い声も聞こえて来る



皆がいる時に必要以上に近付くと機嫌が悪くなりがちなので、渉と2人露天風呂に浸かり、遠目でちらちらときたやまを盗み見ていると、

「お邪魔しまーす」
宮田と玉がセットで仲間入りして来た

「みんなで入るの新鮮だねー」

「何気にないもんね、こんなこと」


するとニカと千賀も現れきたやまに声をかけたので、いつの間にか全員が狭い露天風呂に集結してしまった


一番遠いところにいたきたやまは、頬を紅潮させてゆっくりと湯船に入って来る


その姿が色っぽ過ぎて、いろいろ我慢しなければならないこの狭い空間でそばにいるのは正直しんどくて少しだけ目を逸らす


もう毎日の様に一緒にいるし、しょっちゅう仲良くだってしていると言うのに、未だに新鮮にときめいてしまうのだから、恋人の欲目を差し引いたとしてもきたやまの魅力は普通じゃない

こんなきたやまを誰にも見せたくなくて、ここにメンバーがいることすら気が気じゃなくなって来た頃、


「やっぱり7人一緒は特別な感じがするな」

きたやまが言った



「…そうだね、何があっても
もし物理的に距離が離れることがあったとしても、7人集まれる時間をずっと取れたらいいね」

千賀が言い、

「大丈夫だよ、みんな同じ気持ちなんだから」

信じて疑わない玉の言葉に、みんなで頷いた



俺の邪な想いなんか吹き飛んで、全員でしみじみと仲間の大切さを確かめ合うこのメンバーが好きだなと思った


そしていつだって最初にグループを引き締めるのはきたやまだな、と思った

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