みんな元気になりますように 2

7人旅行2-F ページ16

「わあ、すげー何これー」

「ニカ、見て見て！
こっちのテラスもすごい絶景だよ！！」

「広っ！！こっちにも部屋ある！みんなでここで過ごそうよ！！」

「うん、いいね！そうしよう！」

旅館に入り、部屋に案内されると、途端に弟たちが騒ぎ始める

その姿を眺めながら、すごく清潔感のある、おしゃれなその部屋を見回す


今日は7人一緒の大部屋だそうで、まるで修学旅行のように賑やかだ

ひとしきり探検を済ませた後、
　


「ここの旅館、部屋着の浴衣借りられるんだけど、たくさんある柄の中から好きなの選べるんだって
お風呂に行く前に俺たちがみんなの分選んで来ていい？」

千賀と玉がその役を買って出てくれた

「へえ、面白いな
行ってもらっていいの？任せるよ」
　
きたやまも快諾していた


たしかに、玉と千賀なら間違いないし、みんなにどんな浴衣が選ばれるのかそれも楽しみだし、誰も文句はなかった


「ニカと宮田も来て
荷物運び手伝って！」

「はーい」

「行って来るねー」


そうして部屋には俺ときたやまと渉が残された


渉が淹れてくれたお茶を飲んで、やっとほっとしていると、きたやまはそっと離れて隣の部屋の、畳の上に横になっていた






「あれ、きたやまもう寝ちゃってる」

「ほんとだ
やっぱりどこでも寝ちゃうんだな」




「…うん、そこもかわいいとこなんだけどね」



風邪を引いてしまうといけないので、押し入れから布団を出して、きたやまにかける


一緒にいるのが渉と言う安心感に、いつも通り甲斐甲斐しく世話をしていると、



「…太輔のみっちゃんに対する想いはほんと、昔から変わらないね…

見ててちょっと照れ臭いわ」

「……」

俺たちの関係性をみんなが知っている今、メンバーとの間で気を遣うこともほとんどなくなったが、改めて言葉にされると俺もちょっと照れくさくなる


恋人とのあれこれを、家族に見られているみたいな変な気分で、揶揄うなよ、とちょっとだけ不貞腐れながら、すっかり温くなったお茶を飲んだ

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