みんな元気になりますように 2

天使の夏祭り6-Last ページ12

翌日は7人での仕事の日


雑誌の仕事で、縁日のセットが組まれている中での撮影だった



着いた早々これは偶然？と目を疑った

まるで、昨日の続きみたい




浴衣を着せられた俺たちは、その中で少しの間自由にしていてくださいね、と言われ、各々好きなもので遊び始める


「あっ！すげー
懐かしいスーパーボール！」

「ヨーヨー釣りとか、絶対やったよねー」

　
並んでいる、お祭り仕様の小道具に興奮気味のメンバーたち

ボリュームのある特集ページらしく、
セットの小道具とは思えないラインナップだ


久しぶりの王道のアイドルらしい撮影に、祭り気分も加わって、みんな楽しそうだ



「子どもの頃ラムネのビー玉って不思議じゃなかった？
どうやって入れたんだろうって」

千賀が言うので、

「…胴体と蓋の部分を別々に作るんだよ

ガラス玉を入れてから、最後に熱でくっつけるんだ」

「ガヤさん、すごい！
物知りだね」


だって昨日みつと一緒に調べたばかりだから

とは言わずにふんわり曖昧に微笑む




「みんなー、お面があるよ！
どれにする？」

「いろんなのあるね！ミツは？」


「…」



玉がそばにいる北山に聞いた時、北山がじっと見ていた先には、昨日みつが付けていた白いねこのお面があった


「え？
キタミツ、キティちゃんがいいの？？」

「まじ？ミツ、可愛いんだけどー」

すると、ハッとした様子で、しどろもどろに北山が言った

「い、いや、
いいとかじゃなくて、見てただけだし！」

「いいじゃん、浴衣姿のミツのキティちゃん絶対可愛い！見てみたい」

「いいって」


ぎゃーぎゃーと騒いでいるメンバーたちを見たスタッフから可愛いと呟いているのが聞こえてきた


みんなから遊ばれている北山を撮影していたカメラマンさんも、良い画が撮れているのか、満足そうだ





「…相変わらずうちの最年長は可愛いねえ」




「渉…昨日俺さ…」



「ん？」






「や…なんでもない」




言いながら、俺はミッキーマウスのお面を手に取ってみる


北山が俺をちらっと見て、驚いた顔をしたような気がしたが、気のせいだろうか




顔を赤くして抵抗していたが、結局キティちゃんのお面を付けさせられている北山は昨日のみつと重なって見えて、


その北山を不思議な気持ちで眺めてその後の撮影に挑んだ















-天使の夏祭り-


end

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