みんな元気になりますように

ずっと近くに(日常) K5 -Last- ページ45

すると、俺の頬を親指で撫でながらふじがやが言う

　


「これからたとえ自分たちの力ではどうしようもないことが起こって、

離れなきゃいけない時が来たとしても

俺のそばにずっといて欲しい」




「ふじがや…」


なんだか気持ちが昂って、


流れる涙を隠すことが出来なくなった





「……どんなことがあってもずっと近くにいる………」


もう何度目かになる誓いの言葉




そのままふじがやの膝に頭を乗せる

ふじがやが履いていたジーンズが濡れちゃうまでそのままの姿勢でいた




ふじがやの裏の、ずっとあった複雑な想いに触れて


もうどうしようもなかった











そう、もしも二人が離れ離れにならざるを得ないような、

どうしようもない状況にこの先陥ることがあるとしても、


ふじがやが好きなことは変わらない

ずっと魂は近くにいる





両手で俺の顔を挟んで持ち上げ、愛おしそうに見つめて、ふ、といつものように笑うふじがや




「……俺と二人きりの時のきたやまは、本当に泣き虫だね」



そっと頭に触れて、優しく撫で下ろす


まるで、ネコにでもするみたいに繰り返し繰り返し





そうして最後には膝の上に引っ張り上げて、抱きしめられた






「でも、あんな簡単に女の子に触らせたりするのってどうなの？」




苦笑しながら耳元で恋人としてのヤキモチもちゃんと伝えてくれる






「……どうでもいいだろ？

大切なとこはふじがやにしか触らせねえもん…」





ぐずぐずの鼻声で泣きながら言えば、





「ばか、なんだよそれ

そんな気分になっちゃうじゃん！」









くすくすと、



ふじがやは苦笑いしながら



おれは泣き笑いしながら







大切に大切に抱きしめ合って、






そっとしょっぱい唇を合わせた





-ずっと近くに-

-end-

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