みんな元気になりますように

いつかの再会　F8 Last ページ14

北山の家に帰り、
また迷っている俺の手を迷わず引いた北山と一緒にベッドに横になる


身体をくっ付けて来た北山の顔がものすごく近くて、どきどきしながらそっと頬を撫でると、すぐにその手を握った北山が言う


「…藤ヶ谷、明日帰っちゃうよね…」


「わからないけど、多分…」


「…俺、今回は俺が藤ヶ谷を未来から呼んじゃったんだと思う


でもいろいろもう藤ヶ谷の気持ちが分かったから、きっと仲直りできるから


…だから、明日帰れると思う」




「うん、そんな気がする」




この件は有耶無耶になったまま終わっていた

でもきっと明日には北山が仲直りしに行って、解決するだろう

今度来る時は、できることなら自分自身に喝を入れて俺から謝りに行けと言ってやりたい気持ちでいっぱいだが、会えないから仕方ない

そしてまたふたりでプラネタリウムデートをやり直した、という、新しくて楽しい思い出に記憶が書き換えられるはずだ




「…もし、もしもまた…

藤ヶ谷と喧嘩しちゃったら、

藤ヶ谷来てくれる？」



「出来るだけそんな心配かけないで欲しいけどな」
言いながら、きゅと鼻を摘むと、

「いだいー
お互いさばだろぉ」

と言って笑う



「でもだって…
また逢いたいんだもん」



北山は俺がどれだけ我慢してるのか、知らないんだろうか

ただでさえこの距離のこれはかなり苦しいというのに

そんなかわいい顔でそんな可愛いことを言うのだから



「もう会えないと思ってたから、びっくりしたけど嬉しかったよ

なるべく俺も平和に暮らせるように努力するけど…

こればっかりは分からないから

どうしようもないことが起こったら、また来るよ

何度でも」




「うん…」




そうしてやり直そう


何度でも何度でも


ずっと我慢していた俺の頭を両手で引き寄せ、強引に唇を押し付ける北山は、やっぱり俺のそんな気持ちにはとっくに気付いていたんだろう



こうされたら完全に俺の負けだと観念する


唇で唇をなぞり、ゆっくりと舌を絡ませた
　
お互いに溢れる愛を、好き過ぎる気持ちを持て余しながら

ひとつになれないもどかしさを感じながら体を寄せ合う



そして思う


どんなことがあっても、絶対に離れたりしないって


どんな北山とだって


たとえ歴史を変えてでも


ずっとずっと一緒に生きていく



そう、心に誓いながら

狭いベッドの中、やがて自分の世界に戻るべく、意識が遠のくまでの間、



いつまでもいつまでも抱き合っていた



-end-

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