この気持ちは誰のせい F3 -Last- ページ9
「ふは、くるしい」
思わず力が入ってしまい、きたやまの顔を胸に押し付けてしまっていた
押し付けられた鼻を手で抑えながら、それでも嬉しそうに、俺の胸の中で顔を上向けるので、
その鼻に自分の鼻をくっつけてみる
「ふふ」
まるで子供みたいに素直に気持ちをぶつけて来てくれたきたやまが愛おしくて仕方なくて、鼻先にキスをした
「…気持ちを教えてくれてありがとう、きたやま」
「うん」
照れ臭そうではあるけれど、
今度は心から嬉しそうなきたやまの笑顔
ほんの小さな小さな気持ちにも向き合って、それが大きく育って、取り返しがつかなくなってしまう前に俺に教えてくれたきたやま
昔の俺たちにはそれはできなかったかも知れない
ちゃんと育っている、俺たちの恋
壊れない様に
大切な気持ちが伝わる様に
きたやまがいつも満たされていられる様に
願いを込めて唇を合わせる
きたやまの身体をその場でそっとソファに倒し、
1ミリも隙間がないくらいにお互いの身体をぴったりくっつけて再びキスをすれば答えて来るきたやま
なけなしの理性をかき集めて、なんとか少しだけ身体を離した
「今はこれでおしまい…
夜まで我慢して」
「…充分過ぎだよ」
健気に微笑んで、充分と言ったくせに俺の首に両腕を巻き付けるきたやまに溢れる気持ちが止まらなくて、
ここが楽屋と言うことも忘れてやっと離した身体を再び寄せ合った
「あれー?鍵かかってるよ?」
「ふたりもどこか行っちゃったのかな?」
メンバーの声が聞こえて、慌てて中から鍵を開けると、呆気にとられた表情のニカと千賀が立っていた
俺たちがどうしていたかなんてお見通しの弟達にいちゃいちゃもほどほどにしてよね、と呆れ顔で諭されてしまい、立つ瀬のない俺たち
その後ソファで寝たふりを決め込んだきたやまのそばに座って、俺もイヤフォンで音楽を聴くふりをしていたが、
背もたれに隠れているのをいいことに、赤い耳をしたきたやまの手を繋いだまま、
出番までの時間を過ごした
この気持ちは誰のせい
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まひろ(プロフ) - なっちゃんさん» なっちゃん様💕いらして下さり、楽しみにしてくださって嬉しいです😭💕日の目を見る日が来るのかわからないまま日々少しずつですが水面下で執筆していました。掲載する勇気が湧いてとても励まされました。本当にいつも有難うございます🥰 (5月3日 10時) (レス) id: 545ef390a1 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - まひろさんの新作待ってましたー!さらなる新作も準備されているとのこと、楽しみで仕方ないです。今回の作品も本当に素敵でした。二人だけが知っている二人だけのスイッチ、やはり二人には仲良くしてて欲しいという願望が私もあり、楽しく読ませていただきました! (5月3日 8時) (レス) @page30 id: 14913c4d63 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - CHIBIさん» そしてお名前が変わられたこと、お教え下さりありがとうございます!以前のアカウント入れなくなってしまったのですね💦ご不自由な中、また遊びにいらしてくださってとても嬉しいです🥰細々とになりますがこれからも宜しくお願い致します! (5月3日 7時) (レス) id: 545ef390a1 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ(プロフ) - CHIBIさん» CHIBIさん💕お待ちくださってたのですね😭💕ありがとうございます!いつもKさんに甘々なFさんですが、もっと夢中になって欲しいみたいです😆楽しんでいただけていたら、とても嬉しいです🥰 (5月3日 7時) (レス) @page30 id: 545ef390a1 (このIDを非表示/違反報告)
CHIBI(プロフ) - あっちびです、なぜか前の入れなくてCHIBIになりました (5月3日 2時) (レス) @page30 id: c7ea3cde6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まひろ | 作成日時:2023年4月6日 0時