FKの甘い日常-F-

この気持ちは誰のせい F2 ページ8

「ごめん、さびしくさせて」


仕事だけでなく、プライベートで片付けなければならない用事がいくつかあったために、しばらくきたやまは遠慮して俺の家に顔を出していなかった



「ううん

ふじがやのせいじゃなくて俺のせい」

俺が勝手に寂しくなっちゃっただけ」


「…俺のせいじゃないの？」


「うん、おれのせい
もっと、ぎゅー」


「…ぎゅー」


「へへ」


また嬉しそうに笑う


その笑顔の裏側に、言葉にできないどうしようもなくさみしいって気持ちがまだ潜んでいること、ちゃんと分かるから、どうしていいかわからなくなる




「でもきたやまはぜんぜん悪くないよ
どうしてきたやまのせいって思うの？」




顔を押し付けながら、すりすりと頭を擦り付ける愛玩犬か愛猫のようなきたやまが、ぴたりと動きを止める








「………俺のせいだよ







俺がふじがやを好き過ぎるせいだよ」











「………っ」


顔を見せずにきたやまが言うから




言葉を失ってしまう








それならやっぱり俺のせいだよきたやま




好きで



本当に好きで




名前を呼ぶだけで


触れるだけで




胸が苦しくなって







好きって思えば思うほど


なんでだか泣きたくなる時があって



中途半端な時間だけ会うのは余計に辛くなってしまうから


ここのところ、会えずにいたんだ





そんな俺の気持ちがきたやまにも伝染しちゃってたんだよ、きっと

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