FKの甘い日常-F-

遊びに行こうよ F3-Last- ページ22

「よーし目、覚めた！
遊びに行く？」

「どこ行こうか」

「えーと
あ、そう言えばこの間行ってみたいねって言ってたあの、出来たばっかりのレストラン

でも、混んでるかあ」


「まだ出来立てだもんね
でも、それもいいね」



「ちょっと緑がいっぱいのとことかもいいなあ
あ、なあ、この山の滝のとこは？」


「いいねー
でもここ花粉で今の時期きたやま辛いかも」


「むーそれやだ
そしたらあのさ、前に観たいって言ってた映画観るー？」



一生懸命考えるものの、時間も遅くて出来ることは限られていて今日はなかなか決まらない



でも、こんなふうにふたりで相談している、この時間こそが愛おしい


「どこにするー？」


「とこだっていいよ、
きたやまの好きなところに行こう」



まだベッドの中でうつ伏せに寝転がってスマホを弄っているきたやまは、

一生懸命な時の癖で、唇を尖らせているので、いつものようにちゅ、とそこにキスをすると、本人は気付いているのか分からないけれど、うっすらと頬を赤く染めた幸せそうな顔を隠せてないことがもう堪らなく可愛い




「支度してさ、とにかく出掛けようか」


いつも水分を余分に含んでいるきらきらの目でじっと見つめる物言いたげなきたやまに、


「ん？」

どうしたのかと問い掛けると、










「…もう一回してくれたらちゃんと起きる」






めちゃくちゃ可愛い答えが返って来た





キュンが過ぎてもはや胸が痛いほどだが、
そんな気持ちを抑えつつ、首に両手を掛けてきたきたやまに、もう一度今度はもう少し長めのキスをした




時間なんて気にしないで、いつまでもこうしているのもそれはそれでいいけど、



少し遅い時間だけれど、
マイペースに今から出掛けてみようか



ちょっとだけいつもと違う髪型にして、



お気に入りのTシャツを着て、



スニーカーを選んで足を入れる





好きな音楽をかけて気ままに走りながら、自然に気持ちが動く場所で車を停めればそこが目的地



今日はきたやまの好きなところに行こう





何にも決めないで行動する、

恋人と過ごす贅沢な1日




「コンビニで飲み物買ってこーぜ」

「うん」










控えめに言って最高な、1日の始まり










-遊びに行こうよ-


end

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