花屋とギャルソンの仲間たち(番外編)

ふたりの日々1-T- ページ7

その後、4人の飲み会は頻繁になり、月に一度と言っていたが半月に一度くらいのペースで集まるようになっていた

もともと車で通勤することも多い上にお酒にそれほど強くない俺は、大概宮田さんを送って帰り、宮田さんの家でお茶をご馳走してもらうのが常になった


いつしかお互いのことを「玉」「みやた」と呼び合うようになり、ふたりだけで会うようになって、俺はみやたの家に入り浸るようになった


会う日にはほとんど必ずと言っていいくらい頻繁に、親友の店のものだという花を俺に買って来てくれるので、いつのまにか部屋は花でいっぱいになっていった



ある日、ふたりでオンラインゲームをやっていると、


「あ、キタミツが来た」


ゲームの中で俺たちのパーティに合流してきた人がいた


「キタミツって？」

「俺がよく行く本社の近くのカフェで働いている子なんだよ

見習いのギャルソンで、北山宏光くんだからキタミツ

俺がつけたあだ名なんだけど



北山くんもゲーム好きだから、複数でパーティーを組む時なんかは時々待ち合わせをして、北山くんと組んだりしてるんだ」



「みやたのお気に入りなんだね」


「うん、人もカフェもすごく気に入ってるんだ！

身体のことを一番に考えている
店長の料理は優しくて最高だし、従業員もとても感じが良くて

北山くんは特に

本当に天使みたいに可愛いんだよ」

「天使？なにそれ？」

「会ってみれば分かってもらえると思う」

説明のしようがないらしく、苦笑いしているみやた


「営業時間が短くて、夜はやってないから仕事中以外はなかなか誘えなくて

もし良ければ、今度休みの日にでも玉も一緒に行く？」


「うん、行ってみたい」


宮田が気に入っているカフェにも人にも興味があったから、行ってみたいと思ったけれど、


北山くんと言う従業員のことを、『天使みたい』と表現した宮田に、なぜかほんの少しもやもやを感じて、

どんな人なのか見てみたい、と思った

ふたりの日々2-M-→←出逢い6-M-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す