花屋とギャルソンの仲間たち(番外編)

恋人たち5-T- ページ45

「玉はいいな
いつも自然にみやっちと居られて」


ある日また4人で食事に来ていた時、二人になると、ため息をつきながらみつが言った


「自然？俺たちが？」



4人でいる時はいつもより俺はみやたにくっついている

それはちょっとだけ意識的に

俺のだぞってわかってもらうために

みやたも外にいてもさほど拒んだりしないし、俺の好きなようにさせている

それがみつには羨ましいのかな


「どんなとこが自然に見えるの？」


「えっと…
なんか手触れたりさ…
肩に凭れかかったり…

そんなことしても、二人とも恥ずかしがったりしないし…

一緒にいるのが当たり前、みたいなさ
そんなとこいいなって

俺なんか全然ダメ

たいすけに見られるだけで恥ずかしくて緊張しちゃう

俺たちもそうなれたらな…」


「みつも、俺たちみたいにくっついたりしたいの？」


「え、あ、んーと」


真っ赤になった顔で、下を向いて両手をもじもじさせているみつを見たら、もうきゅんきゅんが止まらなくて思わず両腕でその肩を抱き締めた


「みつー、もーなんて可愛いんだ、みつは」

「え、ちょ、玉」

慌てふためいているが、お構いなしにみつを抱き寄せる


「あのね、みつ
いいこと教えてあげる」

「え？…」


くっついたまま、ぼそぼそとみつに耳打ちをしていると、食事を買いに行っていたガヤが飛んで戻って来た


「玉！！何してるんだよ？」


ほら、ちゃんとムキになるじゃないか

でも言葉で止めるだけじゃ離れてやんないんだから


ガヤはちょっとカッコつけ過ぎるんだ

俺から見てもタンパクな感じに見える時がある

みつはいつもあんなに不安だというのに、スキンシップが足りなさすぎたら居なくなっちゃうぞって教えてあげないと


だからキッと睨み付けて言ってやる


「だってみつ可愛いんだもん

ガヤ、みつ泣かせたりしたら承知しないからね！」


「え、泣かせるって

ひろみつ、なんかあったの？」


「いや、たいすけ、なんもない！なんもないよ」


オロオロするガヤに、真っ赤な顔で慌てているみつは、それでも俺の腕から抜け出そうとしない

とまどった顔で俺とガヤを交互に見上げている


みつは優しい上に何故か俺には甘いんだ


まだみつを抱き締めたまま、庇うように頭を抱えてべーって舌を出してやった


初めはあんなにライバル視していたと言うのに、同じ境遇のみつに今は共感しかないんだから、みつは本当にすごい

やっぱりみつは、天使みたいだ

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