花屋とギャルソンの仲間たち(番外編)

告白11-M- ページ27

玉には申し訳なかったが、きたみつとの待ち合わせ時間にぎりぎりだったので、合鍵を渡して待ち合わせ場所に急いだ


いつもの店だとたいすけに会ってしまうかもしれないから違うとこがいいとリクエストされ、落ち着いていて、話しやすいように座席に充分なスペースのあるお気に入りの店にきたみつを連れて行った


お酒を飲みながら近況を話したりして、場が暖まった頃、聞き出してみる

「それでどうしたの？
がやさんとケンカでもしたの？」

「...ケンカじゃない、と思う」

「思う？」

「この間会った時、マイコさんがたいすけに会いたがってるって聞いて...

あの時自分が悪かったって言うから、俺そんなことないって腹が立って来ちゃって...

マイコさんはたいすけのことなんか全然見てなかった、とか、

もっと自分の気持ちを大切にしろとか、いろいろ、酷いこと言っちゃったんだ...」


「そっか
それで、がやさんが怒ってると思ってるの？」


「...分からない…

彼女だった人のこと悪く言われたら気分悪いだろうって思ったけど...

でもその後

たいすけに抱きしめられて、事故かも知れないけどキス...された気もするんだ

だから怒ってるんじゃないのかも知れない

俺たちけっこう酔ってたからマイコさんのことで寂しい気持ちを思い出しちゃったのかな、とか、

それともまた俺のこと女の子と間違えたのかな、とか、
その瞬間いろいろ考えたけど、

なんだか良く...もう、わからなくて、

びっくりして、急いでたいすけの家から逃げて来たんだ...」


最近の親友には本当に驚かされることばかりだ

今までの彼なら考えられないような突発的な行動に思わずおお、と、感嘆の声をあげてしまった

「がやさん、そう来たか
それはなかなかの展開だね」


驚いた顔をして俺を見つめるきたみつ

きっとこんなに冷静に受け止められる話だと思わなかったのかもしれない

自分のことだけでなく相手の話もしなければいけないわけだから、気遣い屋のきたみつのこと、俺に話すこともきっと悩んだだろう


「...きたみつ、がやさんに抱きしめられていやだった？」





「........


いやじゃ、なかった...


...たいすけがまた会いたいって告白してくれた時、いやでも怖くも、気持ち悪くも、全然なかったんだ

男から見たってカッコよくて、センスも良くて、経済的にも自立してて、


...きれいで


また会いたいって、頑張って誘ったのは、

俺の方だったんだ...」

独り言のように告白してくれた

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