花屋とギャルソンの仲間たち(番外編)

告白4-T- ページ20

「珍しいね、宮田さんが欠席って
何があっても集まるのに」


珍しく用事があるからと言って宮田は急に不参加となった

やや拍子抜けしたし、最初は実は少しほっとした

けれど、


「そりゃ、俺たちと遊んでばかりはいられないでしょ、宮田さんだって」

有岡が意味ありげに言うので、
「どうして？有岡、なんか知ってるの？」と聞くと、



「あ、実は一昨日、宮田さんの会社の展示会に行ったんだけどさ、彼大活躍ですごく忙しそうだったんだ

プレゼンも上手だし、かなりやり手で、できる営業だなと見ていて思った」


ここのところ話してなかったからすっかり忘れてたけど、そう言えば、みやたが少し前に近々大きな仕事があるから準備してると言っていたっけ


「女性も多い会社だったから
モテるだろうなあって

優しいから、常に周りに人が集まっている感じだよな」


「うちの売場でも宮田さんだいぶ人気あるよ

取引先でもモテるって、自分の会社ではもっとモテるよな

俺が仲良いと知って、いろいろ聞いてくる子がいてさあ

玉、宮田さんと仲良いけど、彼女のことなんか聞いたりしない？」


「彼女のことなんか聞いたことないよ」

やや不貞腐れて、強めに否定した

さっきから俺は結構イライラしている


みやたから離れて何も考えずに過ごすのもいいのかもと思ったのに、仲間が共通なのだから当然と言えば当然だがこうも宮田の話題ばかりだと全く気持ちが休まらない

夕方、女の人と歩いている姿を見てしまった後だから、余計に腹立たしい

来なかった理由は彼女なのだろうかとどうしても考えてしまう


あんなに俺の頭を悩ませたくせに

告白してきたのはみやたで、まだそれほど日が経っていないと言うのに

なんて気の多い奴だ


それとも俺のことはそんなに大した想いじゃなかったんだろうか


いや、彼女はただの仕事の同僚かも知れないし


でも、これは男の勘だけど、あの距離感は普通じゃなかったんだよな



真実が分からない以上、不安は増すばかりで、ぐるぐるとまとまらない思考を巡らせるばかりだった

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