花屋とギャルソンの仲間たち(番外編)

出逢い1-M- ページ1

玉森裕太に初めて会ったのは、かれこれ半年ほど前


仲良くしていただいている取引先の人と飲み会をしようと盛り上がり、そのメンバーの中に玉はいた


自分で言うのもなんだけど、おもちゃ業界では割と大手の会社に勤めているので、相手も大手百貨店のおもちゃ売り場の人と、その同僚の人たちだった

「一人で取引先の中にいて、気を遣わせちゃうかも知れないけど、かしこまらなくていいからさ」

取引先と言うと普通なら一線引くところなのだけど、同年代の有岡さんと重岡さんと言うその2人は、とても気さくで明るい人で、この2人だけには心を許して大丈夫な気がしていた

上司には内緒で、プライベートで遊びましょうと言われて、すぐにお誘いに乗ったのは、この2人だったからだ


いつもゲームをしている仲のいいメンバーらしく、もう1人、入社当時子供用品売り場にいて、今は婦人服を担当していると言う同僚の人が来るのだと言う

俺はまだ一度も会ったことがなかったけど、単純に新しい出会いを楽しみにしていた

そして当日、少し遅れて恐縮したように個室に入ってきた玉森さんは、すらっとして背が高く、美しい顔立ちをした、不思議な雰囲気を持った人だった

いるだけで空間が華やぐ、そんなオーラのようなものを纏っていて、見るだけでどきどきした


「遅くなってすみません
締めでちょっとトラブっちゃって」

「平気だった？解決したの？」
有岡さんが心配そうに聞くと、

「あ、もう大丈夫！
システムのトラブルで

なんとか解決したから」

うちわのやり取りをあまり聞いちゃいけないかなと、少し顔を伏せてグラスに口を付けていると、有岡さんから声をかけられた


「宮田さん、俺たちの同僚の玉森裕太です
ゲーム大好きだから、きっと気が合うと思うんだ

たま、こちらが宮田さん」


「はじめまして、玉森さん

有岡さんと重岡さんにいつも仲良くしていただいて、お世話になってます
今日はお邪魔します
よろしくお願いします」

「宮田さん、こちらこそよろしくお願いします」

ふわりと笑顔になった玉森さんは、まだどこか緊張感があるけれど、可愛い、と思った


表面的に見えているものと言うよりも、内面から溢れる茶目っ気と言うか儚さと言うか…


形容しがたい不思議な雰囲気を纏っている、魅力的な人だなと言うのが最初の印象だった

これが、俺たちの出逢いだった

出逢い2-T-→

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