FKの少し甘い日常-F-

ミルクティー -F- ページ1

『毎日ちゃんと連絡はとります

メールは、レスは返すの早い

料理はできないけど、お手伝い洗い物は絶対する

いつも会った時は抱きしめてあげる

いつでも俺と会った瞬間からデートが始まります

あとはー

なんやかんや 優しい
怒らない

マイコの話はいつでも良く聞きます

寂しかったら

あ、好き！』

俺たちのレギュラー番組のオンエアを観ると、きたやまがマイコ役の女の子にこんな告白をしていた

線香花火が落ちる前に告白すると言う課題だった





「…いつも会った時は抱きしめてあげる…か」





明日の朝が早く、自分の部屋からピックアップしないといけないものがあるとかで、今日きたやまは家に来なかった

俺はといえば毎日忙しいとは言え、今日に限って少し時間があるもんだから、先日放送された俺たちのバラエティの録画を見ていたところだった


マイコ役の女優さんに告白すると言う、あれ


大人になり、最近カッコつけるのがちょっと恥ずかしくなって来て、半分くらいコメディにしてしまいがちな俺と違い、きたやまはいつも変わらずファンの望むようなカッコいい彼氏を演じている

そんなところも俺たちは正反対だ


それにしても、久しぶりに見たきたやまの浴衣姿が眩しい上に、
この上なく可愛い告白を見て、俺がきゅんきゅんさせられてしまった


そして、先程の逆関白宣言のような、きたやまのセリフを反芻する


確かに


毎日連絡はとってくれてる

仕事中でなければメールのレスは早い


料理は全くできないわけじゃないけどあまりしないから、洗い物はだけはといつも手伝ってくれる


なんやかんや優しくて、ほとんど怒ることはない


俺の話はいつだってよく聞いてくれる



…でも抱きしめてあげる、って言うのは、ない


なぜなら多分、その前にいつも俺から抱きしめに行ってしまうから


俺じゃなければ

相手が女の子だったら

きたやまはもっと違うきたやまなんだろうな


そんな、考えても仕方のないようなことをぐるぐると考えていたら居てもたっても居られなくなってしまって、


気付くと車のキーを掴んで家を飛び出していた

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