背伸び (ページ16)

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you side

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車内で2人きりなんて本気で熱が出そうだな....。

タクシーのドライバーがお喋り好きな人だったら良かったんだけど今回に限って無口な方。

車で10分の距離もものすごく遠く感じた。

自宅前まで来ると臣さんはドライバーに
「直ぐに戻るんで待ってて下さい」そう言って一緒にタクシーから降りた。

私の歩幅に合わせて横を歩く臣さんは玄関前で立ち止まった。

くるりと振り返って『ありがとうございます。ご迷惑おかけしました。』頭を下げてお礼を言った私の頭をまたくしゃくしゃと撫でた。

「倒れなくて良かった....」

少し笑いつつ心配そうに冗談を言った臣さんに心がぎゅっとなる。

『倒れないですよ！...心配しすぎです。』

笑顔を見せて答えた私の顔を見てホッとした表情を見せる臣さん。

「...可愛い妹みたいな存在だから心配なんだよ。メンバーみんなすげーLINEきてる。」

『...皆さんにも伝えて下さい。』

妹と言われて内心ショックを受けつつみんなの優しさが心に突き刺さる。

「伝えておくよ。おやすみ...無理すんなよ」

『...はい。おやすみなさい』

家に入れと言わんばかりにしっしっとジェスチャーをされた私は大人しく家へと入った。

小窓から覗くとタクシーに乗り込んで来た道を帰って行くタクシー。曲がり角で見えなくなるまで覗いていた。

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