背伸び (ページ2)

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you side

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今まで大切に育ててくれた感謝や、恩。

叔父さんが胸にかかえる私への愛は充分に伝わってきてた。

でも、

でもさ〜

いくらなんでも後、2年間だなんて.....二十歳でやっと羽を伸ばせるの？

ぐーーんと落ち込んでは

"恩を返したい！頑張りたい"

ってやる気が出て

"後、2年"

って落ち込む無限ループ。

スマホを覗いては
"飲食店大変"なんてワードを調べて勝手に落ち込む。

そして、迎えた初日。

インターネット情報でどれだけ大変だ。とか
癖のある凄いお客様だっている事は覚悟して迎えた。

...

...

だけど何のその、想像を遥かに上回る程
このお店に足を運ぶお客様は品があり、粗相の"そ"の字も見せない様な方達

これ程とは、、、、

こんなに素敵なお客様に愛される店を構える叔父さんがすごく誇らしくなった。

『ありがとうございました。またお越しくださいませ。』

本日、最後のお客様をお見送りした後、くるりと姿勢を変えニッコリと叔父さんを見つめた。

「....調子に乗るな」

『えー？だって今の方、私を芸能人に入れたいって〜！！も〜。お世辞でも嬉しすぎる〜』

芸能事務所の会長さんがここの常連さんで直々にスカウトされた私は鼻が伸びっぱなしだった。

「中身はクソガキ....。芸能界なんてお前には無理だから」

叔父さんの毒舌で少しの浮つきもすぐに沈没。

帰りの支度をして叔父さんを待ってると"先に帰ってろ"そう言われひとりで帰宅した。

帰宅して玄関を開けるといつも変わらず優しく包み込むような笑顔でゆりさんが迎えてくれた。

今日の出来事を1から10まで話す私に嬉しそうに聞いてくるゆりさん。

「楽しく初日を迎えられて良かったわ。Aちゃんの笑顔は私の生きるエネルギーなの。」

『ありがとう。でも、大袈裟だよ！！』

笑って答える私に一瞬寂しそうな顔をしたゆりさんは続けて言った

「本当よ。私が居なくなってもその笑顔を忘れないでね。」

......え？

『ゆり....さん？居なくならないよね？病気とかじゃないよね？』

さっきまでの嬉しさなんて全て吹き飛んで何か違和感のあるゆりさんの発言に内心ドキドキしながら聞いた

「大丈夫よ。」

ゆりさんの優しく呟いた言葉はすぐに嘘だと気が付いた。

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