背伸び (ページ3)

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you side

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怖くて聞けなかった。

叔父さんにもゆりさんにも....

大丈夫って言った言葉を信じようって。

あれから3週間、きっと大丈夫なんだって自分に言い聞かせ、何も変わらず過ぎて行く日にあの違和感さえも忘れてきてた。

『いらっしゃいませ』

今日は片岡様って方の7名様予約。
叔父さんによるとこの人達は国民的な音楽グループらしい。

ずっとテレビなんて無い生活だったから
ここの常連さんも凄い人気者だそうだけど私は誰も知らない無知な人。

出勤前に叔父さんから

「A。今日は大変な仕事になるだろうから時給2倍にするから頑張れよ」

と言われドン引きしてた私。

覚悟して挑んだ"片岡様グループ"

入ってきた面々はサングラスや、キャップ、ニット帽、マスクで顔を覆ってあまり良く見えなかった。

席へ案内すると顔を覆ってた小物たちが剥がされると露わになるその美貌....

皆んな凄まじい程カッコよくて手が震えた。

「見ない顔だね、新人さん？」

少し身長が低く凄くお洒落な男性が私に声をかけた。

『....はい。九条と申します。よろしくお願いします。』

左胸に付けるネームを見せ90度に曲げた腰。
顔を上げると7人の目線は私に集中していた。

「え？九条...って大将と同じ苗字だよね。」

「娘さん？」

はい！

そう、返事をしようとすると

「直人くん。そー俺の娘！皆んなよろしくね。戻ってくるの遅いから何かされてんのかと思ったよ。ハハハ。」

いつの間にかやってきた叔父さんが笑いながら後ろで答えた。

「ちょ、大将。なにかって俺らそんな信用ない？」笑いながら答える直人くんって呼ばれた方。

「冗談だよ。A、覚えておいて常連さんの直人くん。そして直己くんに、健ちゃん..ELLYに岩ちゃん。そして隆二に臣。」

淡々と1人ずつ名前を言った叔父さん

名前を呼ばれると、ちす！うす！はーい！とかそれぞれわかりやすく手を上げてくれる優しいメンバーさんたち。

で、みんな優しいんだろうなって思って
唯一、近寄り難いのが臣って呼ばれた綺麗な人。

名前を呼ばれたにも関わらず、"無"で私を見てた人。

いや、顔が美しいのに冷たいなんて近寄り難い！！

恐縮する私に「よろしく」直人さんが優しく声をかけてくれた。

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