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14/こっちに来て ページ16

海面から少し顔を出すと、昨日の崖のところに人がいるのがわかった。

誰かと思いさっと岩陰に隠れるが、相手はすぐに昨日の彼だとわかりAはおずおずと近くまで泳いで行った。

ヒューゴー「ん?あぁ!そんなところに!」

気づいた彼は嬉しそうに顔をほころばせ、大きく手を振った。

ヒューゴー「こっちに来いよ、そこじゃ寒いだろ?」
「あ………ご、ごめんなさい。それは少しできないの」
ヒューゴー「………?なにかあるのか?」
「な、なんでも」

しばしの沈黙。流石に怪しまれるかと思いAの額に汗が流れる。
しかし幸いにもヒューゴーは細かいことを気にする性格ではなかった。

ヒューゴー「そうか!なら仕方ないな!じゃあ、俺がそっちまで行くから少し待っててくれ」

よかった、なんとか誤魔化せた。

しかし、昨日と変わらずはきはきとした男らしい声の人だ。オーシャンと同じような元気さがあるけれど………少しだけ違う。
男らしさか何かだろうか。よくわからないのだが、まぁ大体そんなとこだろう。ジョーもあんなにはつらつとはしてない………というかそもそも元気というキャラではないし。

多方面に失礼なことを考えていると、ヒューゴーの姿が見えてきた。

ヒューゴー「なかなかに遠いな、少し疲れてしまった」
「お疲れ様。ごめんなさいね、こっちまで来てもらっちゃって。」
ヒューゴー「いや、いいんだ。俺の頼みを君は聞いてくれたんだからな。」
「そんな。私だってあなたと話したいと思ったから来たのよ。」

2人でまた昨日のように笑い合うと、すぐ話に花が咲いた。

昨日あの後の仕事がどうだの、友人がどうだの、はたまた過去の失敗談など。

住む世界が違う2人にとって、お互いの話は新鮮であった。まぁヒューゴーはそんなこと夢にも思っていないのだが。




ヒューゴー「あぁ、また日が暮れてしまった。時間が経つのは早いな。」
「本当ね………ねぇ、また明日も来てくれる?」
ヒューゴー「もちろんだとも。俺もここで待っているからな。」

2人は微笑み合い、明日の約束に想いを馳せてその場を後にした。



全て悪魔に見られているとも知らず、2人の目の前には夢の世界が広がっていた。

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ヴィランズ尊くて無理 - 続き楽しみにしてます‼ (8月9日 17時) (レス) @page19 id: 3b56fa98f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:下呂 x他1人 | 作成日時:2022年10月19日 17時

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