検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:5,816 hit

15/計算の狂い ページ17

エイトフットside

あいつと人間の男が絡み始めて何ヶ月経っただろう。
俺の状況を簡潔に言ってしまえば、狂いそうだった。

あの時人間界に連れて行けとせがむAをしつこく引き止めなかったのは、あの男と話すことで人間の醜さを理解すると思ったからなのだが………あいつは珍しく綺麗な心を持った男であった。

俺が見てきたような下品な男ではなく、純真な彼と知り合ったことでAはさらに人間の世界へ興味を持つばかりで俺の計算とは大きくずれている。おまけにあいつとの時間ができた分俺のところへくる時間は明らかに減ってもいるわけで。

これは計算外だ。

これ以上あいつとあの男が親しげに話し心を通わす姿を見せつけられようものなら俺の切れてはいけないものが切れそうになり、己が恐ろしくなる。

あぁ、A。愛しいA。そんな人間に笑いかけないでくれ。俺の見たことのないそんな美しい顔で、そんな野蛮な人間に。

それ以上、人間に汚されるな。

何か新しい手を考えねばと思っていると、ふと足元に何かが落ちた。

それは昨日ミスターから届いた今年のリクルーティングについて書かれた手紙。毎年同じ文章が書いてある辺り案外ズボラな彼の性格が伺える。

数多くの人間と関わる………そうだ、これだ。



我ながら安直な考えではあるものの、もう俺に細かく考えるほどの賢さは残っていなかったらしい。

16/思わぬ報告→←14/こっちに来て



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヴィランズ尊くて無理 - 続き楽しみにしてます‼ (8月9日 17時) (レス) @page19 id: 3b56fa98f3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:下呂 x他1人 | 作成日時:2022年10月19日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。