月曜日の１８時（赤） (ページ20)

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「……え？」

重岡さんからの意外な問いかけに

思わず重岡さんを見上げた

「ほら、ミナトくんのことはミナトくんって呼んでるし」

「ミナトくんもAさんのことはAさんって言うてるし」

嫌やった？と首をかしげる重岡さん

そのあざとさに関心しつつ、

断る理由もないしな……と思い

重岡さんからも提案を承諾した

「もう１つお願いごとしてもええかな？」

「大丈夫ですよ」

応えられる範囲のお願いでありますように……

と心の中で願いながら

重岡さんの返事を待つ

「連絡先教えて欲しいんやけど」

「……いいんですか？」

「ずっと知りたかってん」

わたしへの呼び方も相まって

少し距離が縮まったのを感じたと同時に

アイドルとここまで仲良くなっても大丈夫かという
小さな不安が生まれる

「ご迷惑になりませんか？」

「なんで？」

「重岡さんは……その、お仕事が……」

話すにつれて

自分の声がどんどん小さく

ゴニョゴニョとした口調になっていくことに気付く

「もしかしてそのことずっと気にしてた？」

気付かんくてごめんな、と少し申し訳なさそうにいう重岡さん

それをみて、また気を遣わせてしまったと後悔していると

それを勘づいたのか、再び重岡さんが口を開く

「仕事のことはもちろん気を付けてるけど、Aちゃんなら大丈夫かなって」

「それはどうしてですか？」

「毎週通ってるのに誰も俺に声かけてきた人居らんねん」

「それはAちゃんとミナトくんが誰にも言ってない証拠やし」

２人の仕事する様子とかもずっと見てきたから信用してる、と

重岡さんは笑いながらわたしを見た

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