第肆噺 帰る ページ7
「イレギュラー……だと？」
『何回も言わすンじゃねェ』
「っ！……っ！！」
『まぁまぁ、落ち着き給えよ、ナカヤ』
どうどう、とナカヤを鎮めるハジメ。
その顔は何処か気を許しているような笑顔だった。
『まぁ、つまり私達は異界人……とでも言うのかね。
理解出来たかい？』
「……信じ難いけれど、嘘はついていないようだからね」
「はぁ……頭痛ェ」
少し信じ難い顔をする太宰治。
額を抑える中原中也。
「ならば、早く帰り給え」
「そうだ、こんな所に……」
『残念なお知らせだよ。
見給えよ』
笑顔で��自分達が出てきたはずの壁��を指さした。
ナカヤは溜息をつき、ハジメはニコニコと笑っている。
「はぁ？！じゃあ手前らはどうすンだ？」
「……何処か宛があるのかい？」
『あると思うなら本気で頭がイカれてンじゃねェか？』
『私達は宛愚か、この街すらまともに分からないよ』
ナカヤ、ハジメはそう言い放つ。
その割には、何処か余裕があった。
いや、絶対的な自信が。
『だから、先程のお詫びは……ーー
私達を居候させる、なんてどうだい』
��やられた��
太宰はそう思った。
先程の��詫び��は相手の名前を聞き出す策略だったが、逆にその策略を��予想されて返される��とは……。
相手を見くびっていた。
久しい感情がこみ上げてくる。
負けた。読まれた。悔しい。
次は勝つ。次は読まれない。楽しみ。
が、それよりも……。
ハジメの笑みは有無を言わさない笑みだった。
疑問符は無い。
つまり……
「(私達は、頷かざる負えない状況を作るチャンスを自ら振りまき、見事に嵌められた訳だ)」
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花園@中世古 - 更新楽しみにしてます。(*´艸`) (2017年8月10日 23時) (
レス) id: 4088b864b6 (このIDを非表示/違反報告)
神谷家長女 - 赤月さん» コメントありがとうございます！ご期待に添えられる様に頑張りますね（笑） (2017年7月30日 16時) (レス) id: f8543846da (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 続きを、楽しみにしてます。 (2017年7月29日 23時) (レス) id: 657a533a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神谷家長女 | 作成日時：2017年7月28日 15時
