予定する。 ページ3
とことこと廊下を歩き、キッチンでお茶とお菓子の準備をする。
自室でうだうだしてしまったぶん、急がなくては。
一通り用意を終え、再び廊下に出る。
「ロシアさん、おやつにしましょう」
軽く扉をノックしながら呼びかける。
「今日はなぁに?」
すぐに嬉しそうな声が返ってくる。
「頂き物のケーキですよ、ロシアさんがこの間貰ってきた」
「やったぁ♪あれ、早く食べたかったんだ」
笑顔で部屋から出てきたロシアさんにつられて笑う。
「明後日でしたっけ」
私はロシアさんにティーカップを差し出しながら、言った。
ロシアさんは一瞬きょとんとした顔をし、すぐに「あぁ」と納得した。
「イタリアくんのお家だね。そうだよ。用意は終わった?」
そう。
明後日は、イタリア観光に出発する日だ。
「えぇ、大体は」
私はそう答えて、紅茶に口をつけた。
まだちょっと熱いけれど、美味しい。
「楽しみだね、僕、わくわくしちゃう」
「やっぱりお出かけっていいですよね」
でも、会議のときに誘われたときは、実現するとは、あんまり思っていなかった。
だって、「家おいでよ!」って言っても、ようは「外国おいでよ!」なんだから。
冗談かとも思っていたけれど……この環境だと、あっさり実現するらしい。
海外旅行が、こんなに身近なものになるとは……。
「色んなところにお出かけしたいよね。他の国にも遊びに行きたいし」
「ロシアさんは、今行きたい国とかありますか?」
「えっとねー、あったかい所は好きだよ。地中海沿岸の国はいいよねぇ」
地中海性気候は、夏は高温乾燥で、冬は温暖だったはずだ。
なるほど、ロシアさんにとって理想的な土地だろう。
「Aは何処に行きたい?」
「えっと、」
__頭に、薄ピンクの花々が浮ぶ。
「……そうですね、色んな国を見てみたいものですね」
私は目を伏せて、微笑んでみせた。
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サチ - 元少女今22ψさん» どうかお気になさらず!シリーズがまだまだ続いているのも素敵な作品がたくさんあるのも喜ばしいですよね……!有り難すぎるお言葉です。作品を見つけてくださり、お気に入りに入れてくださり、ありがとうございます。 (2021年10月22日 6時) (レス) @page45 id: b5bbe5e52b (このIDを非表示/違反報告)
元少女今22ψ - すみません、別の方のコメント欄と間違えてコメントしてしまいましたすみません、本当にすみません・・・あの貴方の作品読ませていただきましたもっと早く貴方の作品と出会いたかった(お気に入りに入れさせて貰います。 (2021年5月27日 22時) (レス) id: 463d9420f9 (このIDを非表示/違反報告)
元少女今27ψ - こんばんは、ついこの前ようつべにてヘタリアシリーズ最新作がUpされそれらを見てふっとこちらの作品を思いだし数年ぶりに見に来て読み返しました、最高ですまたヘタにハマりそうス(;ω;)。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 463d9420f9 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - とぬきちさん» 数年前の作品を覚えてて読みに来ていただけたことに感激しております…!恐ろしく遅い更新ですがこれからも続けていく所存です!こちらこそありがとうございます! (2020年9月5日 20時) (レス) id: 8a29a4a84c (このIDを非表示/違反報告)
とぬきち - はぁぁぁぁああ!!!連載続いてたんですね!!!数年前に占ツクにハマってしばらく離れていた者なのですが、ふと読みたくなって来てみたら続いていてすごく嬉しいです…ありがとうございます!応援してます!!! (2020年7月27日 19時) (レス) id: 38dc4cd85e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サチ | 作成日時:2016年8月3日 12時