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嘘つきの傷恋【桜哉】 ページ10

「さくやちゃんあーそーぼー!」

窓際に座り、外を眺めていたオレに話しかける声。
その声の持ち主が誰かなんて決まっていて、振り返りもせず答えてやる。

「嫌だ」
「けち!」

どうせ頬を膨らましこっちを睨んでいるんだろう。

「けちで結構。」
「ぶー!もう、また城田真昼のこと考えてるの?そんなにあのこのことが好きならあのこと結婚しちゃえー!」
「うるせぇなほっとけ!!」
「きゃーさくやこわーい!」

確かに真昼のことを考えていたかもしれないけど、突拍子もないことをいうのはやめてほしい。思わず身を乗り出して叫んでしまう。

「べる〜さくやが意地悪だよー」
「え〜またアイツの話ィ?いいじゃんあんなやつ諦めなよォ〜それよりボクと」

あんなやつとは失礼なと思いながら聞いている途中で途切れる。
なにかと思い目をやるとAがベルキアの口に人差し指をあてていて、

「えへへやーだ。絶対好きになってもらうもん」



「ッ....」

妖艶な顔で微笑み、ちらっとこっちを見てから、その場を離れていった。

「もォ〜!桜哉ったら素直じゃないんだからァ!そんなことだとボクがもらっちゃうからねェ!」
「うるせぇ...」
「Aもどーして桜哉がいいのかなァ?ボクだってこんなにアピールしてるのにィ」

先程Aに指をあてられた部分に触れながら横目で見てくる。

あぁ。確かにどうしてオレなんかを。椿さんやベルキアたちのほうがよっぽどAと話したりしているし、そういう気持ちを表に出しているのに。

(オレじゃAにはつりあわねぇだろうし)

考えれば考えるほど卑屈になるだけで、答えなんてでない。

誰にでも明るくて優しい、しかもそれを嘘でやっているわけではないのだ。
そんな彼女が、自分のような嘘つきと、そんな関係になんてなっていいはずがないんだ。

嘘なんてつきたくないはずなのに、彼女への好きという思いにすらも嘘をついてしまう。

どうやったって苦しくなるだけで、彼女に冷たく当たってしまう。好きでないふりをしてしまう。

嫌いになろうとすればするほど好きになる。
好きになればなるほど辛い。


花びらのように可憐で湿った唇や、仄かに桜色に染まる頬。動くたび、ふわりと揺れる髪からする優しい匂いにくらりともする。


全てが好きでたまらない。

大きなな赤い紅い瞳でじっと見つめられると、それこそキスしてしまいたくなるほどに胸が高鳴る。

それでも、どうしたってオレはあいつとはそんな関係にはなれないし、これからもなってはいけないんだ........

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星売り屋(プロフ) - 文章力すげぇ!(語彙力)更新頑張って下さい!あと、リクエスト宜しいでしょうか? (2016年12月7日 17時) (レス) id: 219465c9fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月17日 11時

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