２４！ (ページ7)

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朝焼け色の空を見ていた。今度こそ、窓越しの向こう側を。
冬めく冷たそうな色の水の色と、燃える炎のような橙色が蕩めいて混ざっている。なんとも美しい光景ではあったが、今の私の心には1ミリも響いていない。

近くのテーブルをちらりと見れば、その上に転がる二つの色をみて、また顔に熱が登る感覚がしてベッドに飛び込んだ。

皮の色と、鼠色。
明らかに硬そうな素材の方は、きっと彼の肩を占領する相棒の為の手袋だ。そうしてもう片方は、はめるだけの手袋。
これを身につけていて可笑しくないのは君だけだろ、イライ。なんで私なんかに寄越したの、もう処分したかったからあげたってこと？そう思うのが最善だよね。

期待なんてしちゃいけない。

女の子だから、なんて本当に恥ずかしすぎて思わず逃げ出したくなった。今も思い出して恥ずかしくて足をばたつかせる。体を大切に、なんて本当に本当に、恥ずかしい。好きな人から大切な扱いを受けるって、こんなに熱くて恥ずかしい気持ちなんだ。
もう、それしか頭になくて呼吸すら忘れてしまいそう。

なんて、甘いんだろう。
なんて甘ったるくてかわいい感情なんだろう、恋ってこんなにも甘いものなのか。甘くて甘くて、今すぐにでも水洗いしたい。

こんな気持ち私じゃないみたいで恥ずかしい。イライ、どうしてくれるんだ。もう私は、君に顔を合わせる自信が無い。勿論、好きすぎて。