人参食べたら結婚してくれるって言ったじゃん！ (ページ10)

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10口目ページ10

あの後ほぼ水で流し込みながら食べ終わった。

ナワーブくんは相変わらず呆れた顔をしてた。
サラダってサベダーと似てない？と現実逃避へ思いを馳せつつ食事を終え、またお昼会おうね～と別れてやってきたのはハンターのリビング。
まだ自己紹介をしていなかったから初めて見た人ばかりだったけど、…デカい。

デカい、ただひたすらでかい。
嘘長身巨人ハンターはレオだけかと思ったのにまさかのハンター私以外全員高身長説。これは鬱が極まる。

扉を開けて固まった私、ちらちらと他の人が私を見ている。威圧感が凄い、視線だけで死にそう。

「こら、ここはサバイバーの来るところじゃないのだ」

「う」

急に後ろから声が掛かり、驚きつつもくるりと反射的に振り返って目に入った光景に固まった。

「新入りサバイバーなのか？なら我がサバイバーのリビングに案内してやるのだ。」

なにこれ、絶対人間じゃない。
異生物、宇宙人？フードの中は奥が見えないくらい真っ暗で、夜の空みたい。しかしそんな綺麗なものじゃなくてうじゃうじゃと何かがあるのが見える、これは目だ。

冷や汗が背中を伝って、少し心臓が止まりかけた。
ヤバいもんを見てしまった気がする。

上手く状況把握と気持ちの立て直しができずオロオロしていると肩に今度はまた見知らぬ手が乗った。
「う、」

「ハスターさん、このかいらしい子は新しい仲間やで。」
「仲間？……ハンターなのか！？」
さっきから叫びそうになっては堪えてるのでうーうー煩いんじゃないだろうか、私。

突然現れた白くて細い手、落ち着きのある綺麗な声。私の手入れしてる手よりずっと綺麗で、思わず見惚れた。
「あんさん、Aって言うんよね？」
ぱっと顔が覗き込まれて、また呼吸が止まりかけた。

綺麗なかんばせが目の隣にあったのだ。
真っ白な肌に対しとてもよく映える紅色の唇が私の名前を紡ぐ。
同性のはずなのに酷く緊張して、声を裏返らせながら「はい！」と元気よく答えた。

「随分と小さいのだ…サバイバーに紛れてもわからないくらい小さいのだ…」
なんだか不思議な口調で私をマジマジと眺める異生物さん。隣で微笑む綺麗なお姉さん。
死にそう、私死にそう。

色んな理由で心臓がバクバクというよりもう既にガタガタと揺れ出す。