人参食べたら結婚してくれるって言ったじゃん！ (ページ6)

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6口目ページ6

「君に似ているという事で暫くの教育係に任命された者だ。レオと呼んでくれ、宜しく。」

正直目が飛び出てどこかに行くかと思った。

筋肉隆々のおじさん。私本当にこの人に似てる？もしかして荘園に来て早々嫌われてる？不安に思いつつも「オス…」と返事をした私に対し、レオは爽やかに笑った。

荘園での生活が始まり、今日は来て二日目の朝。
ベッドはふかふかだったし正直飛び跳ねて遊んでみたけど良かった。寝心地も悪くなかった。元々住んでた場所に比べたら涼しいし何も不満はない。

でも精神面はなんか落ち着いてないみたいで、ナワーブくんに会って色々フラッシュバックしたのもあったのか延々と燃え続ける炎の中を走り回るという夢を見たせいで若干寝不足だ。ツラい。ベッドを堪能したい。

そして部屋から出た私に待ち受けていた筋肉おじさん、冒頭に戻る。
レオという名前の男性は私に似てるということで任されたらしいけど、ちょっと私傷付いちゃうな…マジで似てるのかな…

目線を落とす私にレオははっと何かに気付いた様子で慌てて声を上げた。
「に、似てるって言うのは姿とかじゃなくて！共通点があるって事だ！」

「共通点！？筋肉！？」

「何故そこに辿り着くんだ…」

レオを疲れさせてしまった私は朝食の席へと連行される。キョロキョロと廊下を見渡しつつもレオは話を続けたので、耳を傾けていた。
「役職だ。」
「役職」
「Aはハンターだろう。そして、役職名は農家」
「…うん」

ちょっと反応に困る。けれどレオも困った声をして言葉を続けた。

「傷を抉るようで悪いな、…ええと、役職名は農家だけど君の存在としての名前違う。農家だけど、農家って生き物ではないだろう？」
「…と言うと？」

「私は復讐者、君は復讐鬼なんだ。」

成程、と頷く。

確かにこれは鬼だよね、いつの間にか頭に出来てた赤い角を手で触って肩を落とした。人間じゃない証で、少し悲しいもの。触った感覚としては固くて冷たい。

触れられた感覚もあるので神経が有るのだろうか。

「あー、それが似てるから教育係ってこと？」

「…まあ、それもある。でも大部分は君と私の過去にある。」

「ええ、レオって私の昔の話知ってるの？」

その言葉に、レオは突然足を止めた。