人参食べたら結婚してくれるって言ったじゃん！ (ページ40)

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40口目ページ40

探し始めてから数分、まだナワーブくんは見つかっていない。
一対一だからやっぱり見つけにくいのかな、と思っていた所ブザーのような音が耳に届いて視界に赤黒く何かのマークが見えた。

ナワーブくんだ、

サバイバーの位置を知らせてくれるそのマークは、見失ってもまた時々光ったり消えたりを繰り返している。
もしかしてナワーブくん、解読も何もしないで探してくれてたのかなと罪悪感を感じつつも向かった先には、ジェットコースターの傍の暗号機。
隣にはナワーブくんがいる。

カラスは飛んでなかったし、多分暗号解読を失敗して位置を教えてくれていたんだ。
「位置、ありがとう」
そう言って駆け寄れば彼も満足そうに笑った。

近くの階段を駆け登れば、そこにはジェットコースターがある。

「…乗ってもいいの？」

実の所、ナワーブくんがここに来る前盗み聞きしたと言う通り私はこの遊園地でジェットコースターに乗ったり滑り台で遊んだりするのに憧れていた部分がある。

ジェットコースターで逃げられ見失う、と言った状況が私はまだ遭遇した事がなくて私のゲームの下手さからかまだ誰も私のゲームでジェットコースターを利用してない気がする。
育った地域の環境もあって遊園地なんて行ったことも見たこともない。

だから、乗るのも動くのを見るのも初めて。
わくわくと高鳴る胸を抑えきれず、ちょっと前のめりになってそう問えば
ナワーブくんは無言で一番前の席に座って隣をとんとんと叩いた。
「ここ」

「後ろの席じゃなくて？」

聞く話によれば一人しか乗れないって聞いてたのに。
不思議そうに問いかける私に、ナワーブくんはちょっと笑って言葉を続ける。
「別にゲームしに来たんじゃないし、ゲームのルールを今守る必要も無い。もしそれで何かあるんだったら今攻撃せずにそこで立ってるだけで問題だろうし。」

「そ、そっかあ」
だから座って、そう促されて私も隣に座った。

「よし、じゃあ出発」
そうしてぎこちない音を立てて人生初のジェットコースターが動き出す。