人参食べたら結婚してくれるって言ったじゃん！ (ページ1)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:119,778 hit

1口目ページ1

幼い頃、そんなに大きくもない町で私の家は農家をやっていた。

家から少し離れた敷地に有る見渡す限りの畑、少しボロい家。
隣の家も、その隣だって少し新しめの綺麗な家なのになんで私の家はこんなにボロ屋なの？

農家って職業だってなんだかダサいし、別に嫌いじゃないけど面倒臭いから好きではない。

私は、自分の家が嫌いだった。
パパとママは大好き、優しい笑顔で私を甘やかしてくれるし暖かくて、大切な人なの。
でも！家よりももっと大嫌いなものがあったの！

その名も、野菜。

収穫して売れるようなものじゃない見栄えの悪い野菜は、私達の夕食になる。
私の家のはあまりお金持ちじゃなかったからか、夕食は自分たちで収穫した野菜ばかり。

「隣の家はお肉食べてるのに！なんで私達は野菜ばっかなの！？」

駄々を捏ねて暴れ回った私を見て、時々お肉が出るようにはなったけどでもやっぱ野菜は嫌い。

苦いし、美味しくない！

そうやって嫌いな野菜を皿の端っこに避けて育った為に、我儘な私は近所の子供には避けられてたし、
農家の手伝いとかで汚れた服を着ていれば「ボロ屋のボロ娘」だとか言われて石を投げられてた。

しかし、我儘で暴れん坊な私に対し困った両親が時に厳しく、時に優しく飴と鞭方法で教育してくれたおかげで
我儘と乱暴さを残しつつもとりあえずはダイヤモンドより強そうなメンタルを手に入れていた。

つまり、悪口は気にしてなかった。

流石に、小さな私たちの掌に収まりきらないようなデカめの石を投げられて、血が出た日は近所の子供を追っかけ回した。その後両親に引っ張られ頭を下げに行った。本当に解せない。

そうして天真爛漫、大人しさもなく
学校のクラスに一人はいる気が強め女子みたいなポジションで過ごしていた私。

そんな女でも、隣に住んでた男の子に普通に一目惚れした。