PRIDE ３【梅原裕一郎】

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百瀬は1993年4月20日に岩手県盛岡市に生まれた。



(産まれたての百瀬が母に抱かれた写真)



百瀬家の第一子として産まれた百瀬は父と母から沢山の愛情を受けて育つものの、それも長くは続かなかった。



百瀬が2歳になる頃、1995年3月。
元々体の弱かった百瀬の母は若くしてこの世を去った。



『お母さんのことは……正直あんまり覚えてないです。写真を見てはこの人が私のお母さんなんだーって思うぐらいで……』





そんな母に似て百瀬もまた体が弱かった。
産まれてすぐから入退院を繰り返していたそうだ。

4歳になる頃百瀬は父と共に東京へと引っ越してきた。しかし幼稚園に通うことは出来ず、常に病室にいたそうだ。


我々は当時の百瀬を知る人物に話を聞いてきた
4歳の頃から百瀬が入院している際に看護師として百瀬の世話をしていた人物だ。





看護師「物静かで痩せていて肌も真っ白で……
体が弱いので、普通の人だとちょっとした熱だとしてもAちゃんにとっては命に関わるような高熱になってしまってですね。あまり人と接触することが無いように個室で過ごしてましたね」



(病室のベットに座る百瀬(5歳))



看護師「お父様がお忙しい方で毎日のように来てらっしゃったのですが、夜になってしまうものですからAちゃんが起きている時に会えることは少なくて……いつも寂しそうにしていました。」




病弱で人見知り。そんな百瀬の楽しみは勉強だけだった。



『体が弱くてなかなか小学校にも行けなかったんですけど、お父さんの買ってきてくれる勉強のテキストをやるのが楽しくて。当時の私は自分の手で何かをやって褒めてもらうのが本当に嬉しかったみたいで』





小学三年生になると体も強くなってきたのか入院をすることは少なくなっていた。
変わらず百瀬は勉強が好きだった。しかし小学校には行きたがらなかった。




『勉強は大好きだったんですけど、小学校が怖くて仕方なくて』



幼い頃から病院で多くの時間を過ごした百瀬は圧倒的に同年代の人との関わりが少なかった。
周りにいるのは医師に看護師。大人に囲まれて育った百瀬は同年代の友達の作り方が分からずクラスでも孤立していた。



『小学生って残酷で、悪気もなく思ったことをそのままに口にしちゃうんでしょうね。外にあまり出てこなかったので肌が真っ白で……あだ名は幽霊でした笑』

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