【da!】暴力メイドは今日も。 (ページ3)

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侵入者、そして翡翠と漆黒の対談。ページ3

彼女はいつも通り昼餉の皿を片付けに部屋まで歩いていた。

その時、ダクトの中で鳴る衣擦れの音に彼女は気付いた。

なんでもないような振りをして、部屋の幹部に一礼をする。

そして扉から出て、閉めた後クッと上を向く。

布が重力に従い下の方へ行き、彼女の顔の輪郭が辛うじて見える。

数秒後、トンッと地面を蹴り、ダクトの中にするりと入った。

それが慣れたものであるかのように。

彼女の予測通り侵入者が居た。

緑のパーカーを着た男は彼女に即座に反応し、ナイフを取り出し臨戦態勢を取った。

それは、勿論彼女にも言えた。

ブーツから仕込みナイフを取り出し、真っ直ぐに男を見据えて居た。

今にも戦闘が始まりそうな雰囲気だった。

然し我々の予想は当たらず、男は問題を起こしてはまずいと思ったのかその場を後にした。

別にその男に微塵も興味の無い彼女はナイフをブーツに戻し、ダクトから音も無く降りた。

その後も何事も無かったかのように昼餉を片して回った彼女。

侵入者が居た事など、誰も気づきはしないだろう。

そうして彼女はこの城を滅ぼそうとしているのだ。

そして、契約と城、そして自分と言う存在を消そうとしているのだ。

＿＿＿

とある国の対談にて

「ふむ、お前が見つかるとは珍しい。どんな人物なんだ？」

黒服の総統は目を輝かせながら問う。

「ただのメイドっぽかったけど、俺見つけた時点で“ただの”メイドでは無いねんな。」

緑のパーカーの潜入員は答えた。

「ほう…実に面白い！…まさか戦闘したのか？」

「するわけ無いやん。問題になるし。あ、これ例のデータな。」

「然し侵入者がいたと言われて居ないらしいんだよな…。嗚呼、有難う。やはり手際がいいな。」

「あ、そう言えばな…＿＿＿

何故言われて居ないのか、その二人は疑問に思う。

そして、これは良いチャンスだと次の外交で宣戦布告を行う事を取り決めた。

彼女の考えなど知らずに＿＿＿