3Ａ〜テスト前〜 ページ16
｢これより、クラス勉強会を始める。｣
敬人が眼鏡を上げつつ黒板の前に立つ。
｢は〜い、なんで強制参加なんですかー｣
薫が手を挙げて質問する。敬人が答える。
｢出席率はBに比べて高いのになぜか点数で劣っているからだ。しかもかなり…｣
英智が口を挟む。
｢いいじゃないか。たまには高校生らしくて。テスト期間は部活動もアイドル活動も禁止になるしね｣
それを聞いてさらに機嫌を悪くする宗。
｢別に僕の成績は悪くない。衣装製作があるから帰ってもいいかね？君たちのように暇ではないのだ。｣
乗っかる泉。
｢斎宮に同感。勉強位一人で出来るし。そもそもしなくても点数取れるから帰らせてよねぇ？チョーうざい。｣
しかし、青春という言葉に反応する暑苦しい千秋。
｢いいじゃないか！みんなで高め合おう！うだうだしてても時間の無駄だしな！｣
帰りたい泉。
｢守沢煩いんだけどぉ〜？てか、あんた勉強できるわけぇ？｣
あっけからんとする千秋。
｢ああ、言語系ならできるぞ！生物なんかは奏汰に教わったせいか海洋生物だけ無駄に詳しくなったな！ちなみに前回の国語は95点でクラス2位だ…☆｣
げっ、と零す薫。
｢もりっち、それまじで？いやぁ、もりっちが頭良いとか安心できないじゃん〜？｣
斑が突然声を上げる。
｢そうだぞ〜千秋さんは実は優秀なんだぞぉ〜？…ところで95点で2位ってことは1位は敬人さんか〜？｣
敬人が返事をする。
｢ああ、教える為にはまず実力をつけないといけないからな。英智も全教科できるだろ？｣
英智が応える。
｢まあ、色々と刷り込まれてるからね…
それはそうと、国語1位の敬人が昔書いた小説がここにあるんだけど読みたい人〜♪｣
敬人が英智の手から小説を奪おうとして突っかかる。
｢貴様…！いつのまに…！｣
｢黒歴史はちゃんとシュレッダーを使わないとダメだよ、敬人。危ない…はい、瀬名くんパース♪｣
と言って、泉のもとに投げられた冊子。
｢ちょっとぉ、俺別に興味ないんだけどぉ〜？｣
しかし薫に催促されてページをめくる。
｢え〜いいじゃん折角だしみんなで見ようよ！｣
楽しそうな薫に対して、歓声を上げる千秋。
｢この挿絵も蓮巳がかいたのか…？｣
ちらりと見ていた宗が
｢ふん…文章は稚拙だが…絵はなかなかだと思うのだよ｣
斑も加勢して
｢敬人さんこんな特技があったなんてな！天晴！｣
敬人にとって忘れられない一日になりました。
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作者名：ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時：2017年8月13日 16時
