君と私とチョコレート。

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岩本「となりの部屋が空いてるから自由に使って。俺はこっちで寝るから」


『はい』


となりの部屋には、事前に購入して運んであったベッドが置いてある。


『あの、あらためて、今日からよろしくお願いします』


私は頭を下げる。


『料理や洗濯、掃除も、なんでもします。いえ、やらせてください。それにできるだけ早く、物件も探します』


岩本「家事は分担してやればいいし、焦って出ていかなくてもいいよ」


『ですが…』


岩本「ああ、それ」


彼は人差し指を向ける。


岩本「敬語は使わなくていいから」


『岩本さんの方が歳上ですし…』


岩本「照」


『え？』


岩本「照って呼んで。俺の下の名前。"照らす"って書いて"ひかる"って読むんだよ」


めずらしい名前。


『じゃあ、私は、Aで』


岩本「よろしくな、A(笑)」


彼はニッコリ笑って、見慣れた箱を持ってきて開ける。


甘い香りが漂う。


『チョコレート！(笑)』


岩本「あげる」


『ありがとうござ…ありがとう(笑)』


一つ食べれば、口の中に甘さが広がる。


彼も一つ食べる。


岩本「うまい(笑)」


私たちは顔を見合わせて笑う。


そんなこんなで、強面だけど甘いものが大好きなお兄さんとの同居生活がスタートした。


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ここまでのお話、いかがでしょうか？


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