君と私とチョコレート。

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＊


『ふぅ、こっち終わったよ〜』


岩本「俺も終わった」


私たちは部屋の大掃除をしている。


『なかなか綺麗になったね(笑)』


私は満足気に部屋を見渡し、掃除道具を片付ける。


岩本「そうだ、年末年始は帰らねーの？」


一瞬だけ手を止め、また動かす。


『うん、まぁ家を出たのも最近だし』


岩本「でもAがいないと寂しいんじゃね？」


『…たまには、家族3人だけで過ごしてほしいから(笑)』


岩本「…向こうはお前だって家族だと思ってるだろ」


『それはそうだけど、』


あの家に帰れば、3人が喜んで迎え入れることは私が一番わかってる。


でも…どこかで私は邪魔なのではないかと思ってしまう。


だから思い立って家を出たのは、それが理由の一つでもあった。


岩本「ま、俺も帰らねーけど」


『どうして？私に気を遣わなくていいんだよ？』


岩本「元々帰るつもりはなかったし、実家にはしょっちゅう顔出してるから」


『…そっか』


岩本「だから年末年始も一緒にいられるな」


『そういえば、年が明けたら遊びに行くって深澤さんから連絡があったよ』


岩本「は？聞いてねーぞ」


『でもここに来る気満々だったよ』


岩本「あの野郎…」


『一段と賑やかになりそうだね(笑)』


岩本「すぐに帰らせる」


『え？なんでー？』


私が聞くも、彼は答えなかった。


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