となりの翔太くん。 (ページ10)

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先輩と別れたあと、俺は家に帰った。

そして、中に入った瞬間にガッツポーズをした。

目黒「よっっっっしゃあ！！！」

向井「なんやなんや、雄叫びあげてどないしたん？」

同居人の向井康二が顔を出す。

写真家になる夢を追って上京してきたものの、行き倒れているところを俺が通りかかったのが出会いだ。

そして一人暮らしの俺ん家に転がり込んできた。

家賃は俺が払い、家事全般は彼がやっている。

目黒「ついに今日、先輩と2人で食事した」

向井「あー、なんかこの前言うてた会社の先輩か」

目黒「しかも今度また食事に行く約束もできた」

向井「よかったやんけ。さすがイケメンは違うわ～」

目黒「これでもここまで来るのにめちゃくちゃ時間かかってんだよ」

向井「真面目な人やって言うてたもんな。警戒されてたんやろ」

そう、彼女は頭が良くて、いつも真面目で、仕事もしっかりできて、周りとはどこか違っていた。

目立たないタイプではあるが、綺麗な人だ。

俺なんか釣り合わないって思ってた。

けど、毎日話しかけていたら、少しずつ返してくれる言葉も増えていった。

そして今日、やっと彼女と…

目黒「まじ嬉しいわ」

向井「そやけど、めめにしては珍しいな」

目黒「今まではこんなに真剣になることなかったけど、彼女はなんか特別なんだよ」

向井「俺も会おてみたいわ」

目黒「絶対やだね。まずちゃんと働けよ」

向井「俺はいまプロの写真家になるために修行中なんや！」

目黒「はいはい」

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