となりの翔太くん。 (ページ9)

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夜。

目黒くんが事前に予約してくれていたイタリアンのお店で、食事をする。

目黒「これおいしいっすね(笑)」

『うん、』

私はワインを飲みながらチラッと彼を見る。

彼は完璧な見た目で仕事もそつなくこなすため社内で人気だ。

なぜ、そんな人が私と食事なんて…

目黒「どうかしました？」

『その…誘ってくれたのは嬉しいんだけど、どうして私なのかなって』

目黒「え？」

『ほら、私って真面目なだけが取り柄だし、地味だし…』

目黒「他の人がどうやったらサボれるかを考えながら仕事をしている中で、先輩はいつも真面目に仕事をしていて、」

『それは当たり前』

目黒「当たり前ですけど、当たり前のことをちゃんとしっかりできる人って意外といないんですよ。俺だって、どちらかといえばできない方ですし」

『そう、かな』

目黒「だからいいなって思ったんです。もちろん他にも先輩に惹かれたところはありますけど」

彼はストレートにものを言う。

『…ありがとう』

そんなふうに私を見てくれた人、はじめてかもしれない。

目黒「もし、よかったらまた今度2人で食事しませんか」

『うん、いいよ』

目黒「よっしゃ(笑)」

彼は喜んだ。

目黒くん…か。

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