となりの翔太くん。 (ページ27)

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『ねぇちょっと』

声をかけると、彼は私を見た。

ラウ「Aちゃん」

『こんなところで何してるの？』

ラウ「しょっぴー、いないみたい。連絡しても出ないし」

『ずっとここで翔太くん待ってたの？』

ラウ「うん、せっかくだから帰ってくるまで待ってようって」

『もう冬なのに寒い中こんなところにいたら風邪ひくよ』

ラウ「そうだね」

『だったら早くお家に…』

ラウ「…帰りたくないんだ。なんとなく」

彼は大人びて見えるけど、まだ高校生。

多感な時期だもんな…

『仕方ないな。私の家で待つ？』

ラウ「え、いいの？」

『寒いでしょ。中に入って』

ラウ「おじゃまします！(笑)」

『座ってて、何か作るから。晩ご飯まだでしょ？』

ラウ「うん」

彼はきょろきょろしながらソファーに座る。

ラウ「女の人の部屋って感じだね！(笑)」

『そう？』

私はハンバーグを作り、テーブルに置く。

『どうぞ』

ラウ「ハンバーグだ！すごーい！(笑)」

『そんなに驚く？』

ラウ「すごいよ！だって僕の憧れのAちゃんが、僕のために作ってくれたんだよ！(笑)」

『憧れだなんてそんな…』

ラウ「憧れるよ、ちゃんと社会人やってて、綺麗で、おまけに優しいんだもん(笑)」

…今どきの高校生は、口が達者だな。

彼はいただきます、と言ってハンバーグを食べる。

ラウ「おいしい！ママのとはまた違った味がする！(笑)」

『よかった』

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