となりの翔太くん。 (ページ2)

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『うそ…』

いや、見覚えのある、なんてものじゃない。

今まで忘れたことなんてなかった。

彼は────────────

私の元カレだ。

彼と目が合う。

渡辺「あ、どうも。となりの方ですか？」

彼のそのセリフには返事をせず、私はただ体を強ばらせて立っている。

『翔太…くん？』

渡辺「なんで俺の名前──────────」

彼はハッとする。

渡辺「…A？」

佐久間「A～、どした～？」

さっくんが出てきて、彼にあ、こんにちはと挨拶をする。

『…ううん、行こ』

私はくるっと方向転換し、歩き出した。

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佐久間「元カレ！？さっきの人が！？」

ランチを食べながら、私はさっきのことを話す。

『…そう』

佐久間「いやー、そんな偶然あるんだな」

『ほんと、偶然…』

あのとき、息が止まりそうだった。

だって、いきなり目の前に現れたんだもの。

別れてから一度も会っていなかったのに…

少し大人びてはいたけど、あまり変わっていなかったからすぐに気がついた。

佐久間「もしかして、大学時代にAが付き合ってた人？」

『うん』

佐久間「よく話聞いてたから覚えてる。当時はめちゃくちゃ心配したんだぞ」

当時の私は、彼のことが好きで好きで、仕方がなかった。

好きすぎて壊れそうなくらい…

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