検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:269,120 hit

覚悟ヲ決メタ虎ノ少年 ページ28

「Aさん......?」

「圧倒的に此方が不利。でも____まだ完全に不利な状況に追い込まれたわけじゃあない」

「でも方法が」


少し考えれば読める状況だ。
後は其れに、人虎が気付けるのかと云う事が遊戯勝利に繋がる鍵となる。私は人虎の方に視線を向けると口角を上げ、安心させる様に簡単に説明をする。


「彼女の云う通りだよ。それに、絶対に敗けぬと高を括る敵ほど容易い相手はいないよ」


男も不敵な笑みを浮かべ、私が先程考えた推測を淡々と話す。丸で、心を読んだのかと思う程に考えている事が同じだと解り、思わず溜息を口から洩らしてしまった。

人虎の表情は晴れず、瞳には絶望の色が落とされたまま。
だが、男の或る科白で彼の表情が変わる。


(そもそも)___先程聞いた所では、あの(へや)に居る彼等は 君が囚われた時、必死に助けたと云う話ではなかったかね?」


其の言葉で、完全に彼のスイッチが入ったみたいだ。男が持っていた飾帯を受け取ると、再びモンゴメリとアンの元に戻る。
瞳の中から絶望の色が完全に消えた訳ではないが、もう大丈夫そうだ。


「流石ですね」

「......私は何もしていないさ、最終的に逃げるか闘うかを決めるのは彼自身だからね」

「......」


まあ、そう云う事にしておこう。


「お話は終わり? やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ面白くないわ、でも___」


“終わりよ”

アンが姿を現したのは、何と床からだった。無数の手が人虎に伸ばされるが、彼は足を半分だけ虎のモノに変え、床を脚力で跳び上がれば窮地を脱する。
けれど、アンは一体だけではなかった(・・・・・・・・・・)のだ。

上にもう一体、別のアンが人虎を待ち構えていた。


「もう一体!?」

「そちらは二人なのだから当然でしょ?」


距離は僅か数センチも無い。巨大な手が、人虎の身体を捕まえた。


「しまっ......」


人質を収納する為の扉が開き、其処からも無数の手が飛び出してくる。谷崎を捕まえた時と同じ、あっという間の事だった。
凄まじい速度で人虎を扉の奥に引き摺り込み、静かに扉は閉められる。


「はい おしまーい★」


残されたのは、私と男の二人だけ。

二 対 一→←遊戯理論ト本当ノ鬼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
399人がお気に入り
設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。