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少女ノ叫ビト少年ノ揺ラギ ページ25

彼女の口から語られたのは、自分の出生の事だった。人虎と同じく孤児院の出だったモンゴメリの人生は、決して良いものだったとは言えない。


「あたしも孤児院育ちなの、とても寒い所よ。凍ったみたいな水で一日雑巾がけをした後は、何日も指の痛みが取れなかったわ」


その時の出来事を歌う様に語る彼女、深緑の瞳に宿る影は暗さを更に増し、僅かにあった光を塗り潰していった。
自分の異能も、周りから気味悪がられてしまったと話し続けるモンゴメリに、私はほんの少しだけ【同情】に似た感情を覚える。


「貴方がさらわれた時、探偵社は必死に捜したそうね。素敵だわ きっと貴方が良い異能を持っているからね」

「.........」

「大丈夫かい?」

「......はい」


今は昔の過去(こと)を思い出し、感傷に浸っている場合ではない。私には、組合の異能者の力をこの目に焼き付けると云う仕事がある。

男の声で我に返った私は、騒つく心を落ち着かせる為に一度息を大きく吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
閉じていた瞼をそっと開き、再び私は彼等の様子を見守る傍観者の側に戻る。


「僕は......」

「あたしも異能を買われて組合に拾われたの。けど、組合は失敗を許さないわ......今回の作戦をしくじったら____汚れた紙ナプキンみたいに捨てられる」


終始笑顔を崩さずに語っていたモンゴメリの手が、声が、此方からでも分かる位に震えていた。ワンピースの裾をギュウッと、力強く握り締め乍彼女は呟く。


「そしたらまた独りよ。そんなのって信じられる?」


ねぇ
なぜ貴方なの?
なぜあたしではないの?


心臓が跳ね上がった。
ドクンドクンと、私の身体中で鳴り響く音はあの日(・・・)の嫌な出来事をフラッシュバックさせる。
呼吸が上手く出来なくなりそうになり、足に力が入らなくなりそうだった。

嗚呼、本当に____




「消えてなくなれば良いのに」

少年ノ絶望ト女ノ静カナ移ロイ→←傍観者達ノ小サナ独リ言



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時

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