組合従弟、モンゴメリ ページ20
場所が変わった。
巨大な縫いぐるみ、玩具箱に風船、ティーセット、兎に角沢山の物が置かれていた。
例えるならば____まるで子供部屋の様な空間に私は居た。私以外にも巻き込まれた人は居て、殆どが一般人。
人虎と谷崎以外は異能を所持していなかった。
混乱している人々とは対照的に、明るい声が聞こえてくる。
「ようこそ アンの部屋へ」
皆の視線が、一人の少女に集中した。真紅を思わせる髪を三つ編みに結わき、黒地に白い
「あらもう嫌だわ こんなに沢山の方たちに見詰められて......あたし初対面の方とお話をするのが苦手なの」
少女は兎に角よく喋る。何故自分たちをこの場所に連れてきたのか、肝心の目的を全く話そうとしない。ペラペラペラペラ......話が途切れないのが逆に凄く、私はちょっと感心していた。
だが目的を話さない其の態度に痺れを切らしたのか、谷崎が少々を鋭い眼差しで睨みつけ、低い声で尋ねる。
「ナオミは何処だ」
「あら御免なさい、その説明が必要よね。探偵社の皆さんは____あちらよ」
そう言って、少女が手を向けたのは鍵穴がある木製の扉だった。薄眼で扉の奥をジィッと見てみると、谷崎の妹の他に探偵社員、何十人もの一般人が捕まっている。
「賢治君! ナオミ!」
谷崎が扉に駆け寄り、ドアノブをガチャガチャと乱暴に回したが、開く気配は無かった。少女が言うには、扉を開ける為の鍵がないと開かないらしい。
この空間に有る扉は全部で二つ有り、開くのはもう片方の黒い扉のみだそうだ。
「外の景色が......静止してる」
人虎が黒い扉に付いている窓に近づくと、震える声で呟いた。
私は少女の方に視線を戻す。すると、彼女と目が合い、にっこりと微笑いかけられた。だから私は同じ様に微笑い返す。
少女は一瞬、戸惑ったような
「あたしの名前はモンゴメリ ここはあたしの異能力で創った空間なの......でも安心なさって」
空間系の異能力者モンゴメリ、彼女は恐らく組合から放たれた刺客。目的は未だ解らないが、無事に帰してはくれなさそうだ。私は今回の件を特務課に報告する為に、彼女の言葉一つ一つを聞き漏らさないよう、耳を傾けた。
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時