贈呈品ト一件ノ着信 ページ39
「じゃあ またね、Aちゃん」
「......はい」
別れた場所は、私のマンションの近くにある公園。陽は完全に沈み、空は暗くなっていた。とても有意義な時間を過ごせたと思うが、私はエージェントとしての仕事を完全に放棄してしまった。
多分、今日の事は私以外にも見張り役として遠くから待機をしていた監視役が、確りと見ていただろう。
坂口さんや先輩達の小言が、脳内で再生されると、私の胃がキリキリと痛み始める。
「今日は実に楽しかったよ。君も気を付けて帰り給え」
ヒラリと手を振り、踵を返す太宰の背中を見送ると、私もマンションに向かって帰宅する。
けれど、特にコレと云って怪しい行動は無かった訳だから、特務課に報告する為の内容も普段通りで良い筈だ。
「............本当、彼の人は判らないわ」
私と彼の関係は、本来楢ば尤冷たい関係の筈なのに、如何して此の歪な関係に変化を求めるのだろう。
抑、彼の人は何故私と【偽装の夫婦】と云う関係を提案したのだろう。左手の薬指に嵌められているのは銀色に輝く指輪、私は歩く足を止め、ぼんやりとソレを眺めていた。
プルルルル......プルルルル......♪
「......着信? 然も
仕事柄、私は端末をニ台ほど所持している。
大体の報告は小型のトランシーバーで終わってしまう。
詰まり、
着信して来た人物の名前を確認すると、急いで『応答』ボタンを押す。
「......此方 E/C5057、捜査官・須緒。御用件をどうぞ」
『此方 内務省異能特務課、用件を伝える』
淡々と用件を伝えられた。
抑揚のない声だが、言葉の節々に「失敗は許さない」と云う無言の圧力をかけられる。通話を終えた私は、端末をバッグの中に戻すと彼の人から受け取った贈呈品を見詰た。
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時