太宰ノ妻 ページ4
女性陣は、突然現れた太宰さんの奥さんに興味津々だった。皆で彼女を取り囲み、茶菓子を出して愉しげに話している。
これは所謂“女子会”と云う奴だろうか?
彼女達がどの様な会話をしているのか、少々気になるけれど、谷崎さんの妹であるナオミさんに、「殿方は盗み聞き禁止ですわよ」と、釘を刺されてしまったのだ。
「何だか愉しそうですね」
「そうだねぇ、私の妻は人気者のようだ」
うふふ、と微笑ましそうに笑っている太宰さんは、何だかいつもより優しく見える。変わった嗜癖が有り、美人な女性を口説いたり、中々癖の強い人だけど、こんな表情も出来るとは知らなかった。
それほどに、Aさんの事を愛しているのだろう。
「......太宰、惚気話の前に貴様にはやらなければならない仕事が有るのではないか?」
銀縁の眼鏡をカチャリと中指の腹で押し上げ、国木田さんは、僕たち二人を鋭い眼差しで睨みつける。
____わ、忘れていたッ!
Aさんの登場により、すっかり忘れていたが、僕と太宰さんは街の巡回に行かないといけなかった。
「す、すみません国木田さん!太宰さん、ほら早く巡回に行きますよッ」
「えぇ〜?行かなきゃ駄目?敦君一人で行き給えよ、私は今何方かと言えば......」
「何言ってるんですか、このままだと遅く迄残業かもしれないんですよ?」
国木田さんは仕事の鬼と言っても良いくらい、予定には厳しい人だ。予定通りにならない事が嫌いで、怒らせてはいけない。慌てて謝罪をすれば、怠そうにしている太宰さんを半ば強制的に机から引っ張り剥がし、僕達は街に出るのだった。
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ミサぽん(プロフ) - カエデさん» コメント有難うございます! いやいや、そんな......羨ましいだなんて、もっと上手くなりたいと思っている位ですよ、ですけど 有難うございます!嬉しいですっ (2019年7月7日 17時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - こんにちは。読ませて頂きました。ミサぽんさんって絵がお上手なんですね!羨ましいです! (2019年7月7日 16時) (レス) id: 611e70016f (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» コメント有難うございます!成る可く早い内に、続編を作成します。いつも読んでくださり、感謝感激です! (2019年6月16日 9時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
夜宵 ―ヤヨイ― - こんにちは。引き続き続編も楽しみにしております!笑 (2019年6月16日 9時) (レス) id: 03eb66dcd7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサぽん(プロフ) - 夜宵 ―ヤヨイ―さん» 初めまして!いつも!? え、え、有難うございますっ 楽しく!?...嬉しくて涙が出てしまいます。これからも更新、頑張っていきますね!感想、有難うございます。 (2019年6月9日 22時) (レス) id: ec52e47c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサぽん | 作成日時:2019年5月27日 11時