【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ10)

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檻、拾※描写注意ページ10

長い階段を登る。登っていけば客間が並んでいるであろう場所に到達する。
なんでアイツらはAを置いてきたんや？体調が悪そうやったんやろうか。
――あぁ違う、そうか、体調悪くなってしもたんや。俺らより先に真実を知ってしまった。しかも、ショッピが目の前に居たのなら尚更悪くなった理由については明確に理解できた。
……少し、心配や。足早に部屋の前まで歩いていき、部屋をコンコン、とノックしても返事が帰ってこない。居ない……？今まで出会ってないんやから絶対に部屋にいるはず。そう思い開ければ、血生臭い臭いが鼻をついた。
思わず顔を顰めながら、扉を開ければ、辺り一面の赤が広がっていた。

「ッ！？A……！？」

声をかける。返事が、聞こえない。嫌な汗がドバっと溢れ出てきて、部屋に入れば血溜まりの中にAは倒れていた。
慌てて駆け寄り、彼女を抱きあげれば心臓の位置に傷、溢れ出る血。だけど至って普通の鼓動をしていた。生きてることにほっとすると同時、
なんで、これだけ出血して、生きてるんだ……？
なんで、なんで、
そう思考しているうちに彼女の瞳が開かれた。桜色の瞳がぎょろりと動いて、俺を捉えた。

「あは、ゾムさン。どうシたん？」

あっけらかんとそう答える彼女、思わず彼女から離れる。地面に落とされた彼女は、いてて、と声を漏らしゆらりと起き上がった。
思わず後退りすれば歪められる顔。

「え？エ？なンで？」

「い、いや、だ、だっ、て、怪我、して。」

「……？してへんで？」

え、と思わず漏れる声。よく見れば血なんて出ていないし、服が少し避けている程度だった。思わずよろけた。……幻覚、見るほど疲れてるんか。俺。
とすん、と壁にぶつかりそのままズルズルとしゃがみ込んだ。「え、大丈夫！？」と声が聞こえ彼女は駆け寄ってくる。
心配そうな瞳が俺を覗いてきてすごく申し訳ない。

「あぁ、大丈夫、や。ちょっと、疲れてるんかも。休むわ……。」

「そうやね……休んだ方がええ。ここのベッド使ってええから……。」

そういい、肩を貸してくれる。上手く立てなかった俺はそれに「ありがと」と良い肩を借りた。
ベッドに横になれば、ふぅ、とため息が漏れる、目を瞑ればそのまま眠れそうや。
目を瞑れば、「ゆっくり休んでね、ゾム。」そう言われ優しく声をかけられる。その声を聞きながら俺は少し目を瞑った。