【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ30)

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檻、参拾ページ30

パンッ！パンッ！
何か、此方に意識を意図的に向けさせようとするような、そんな意思を感じる物音。そこには鴇色の髪を揺らし、黒と白を基調としたメイドさんが立っている。
にたり、三日月の形に彼女は唇を歪めるとそれは恐怖となりえた。開かれた目からはなにか別の意思を感じる様な、不気味さ。

「優しいからね、直々に30分前をお知らせするよ。さぁ、楽しいことを見せておくれよ。」

ぱちり、指が鳴らされる。
思わず目を瞑ってしまい、開けば辺りには0と1が浮かぶ謎の空間。それを背景に私たちは円を成すように台を目の前にして立っている。
今まで誰も居なかったはずなのに急に皆が現れた。皆、それは同じなのかキョロキョロと辺りを見渡している。
その中央にはガラスケース。中に日本刀が収められていて、はるか上空に彼女は浮かんでいる。
ふわりふわり、スカートと髪を揺らしながら降りてくる彼女は愉快そうに声を上げた。

「さぁ、裁判でもしようか。その方が君たちは分かりやすいだろう？話すがいいさ！まだ時間は……30分、あるからねぇ。」

ぽすり、ガラスケースの上に腰をかけ私達をニヤニヤした目をしながら全員に目を配る彼女。あ、そうそう、と補足する。

「誰も選ばない、は無しだ。あと君たちの中に、堕天したものは居る、あぁ、含まないでね？」

含まないでね、そういった時に彼女は自分を指さした。そして、君たちの中に、と再度口にすればぐるりと指を全員に向けられる。
淡い期待は、小さく萎んで行った。

やっぱり、居るんだ。本当か、嘘かもわからなかったのに、いる。
拳を握りしめ強く願った。……何も、間違えませんように、と。

「……まぁ、再度説明をしておこうか。堕天したと思わしき人物を処刑するのが目標。
タイムリミットは朝4時、それを超えてしまえば君達はBAD END……死ぬね？
わかったかい？何人でもいいさ、さぁ、選ぶといいよ。」

間違えられもしない、時間を越えてもいけない。そんな焦りが私たちの中で走った――。

「あぁ、忘れてた、アレは一旦返してもらおう。」

ゆるり、指を向けられた人物からふわりとどす黒く禍々しい何かが出てきた。それは彼女の指先の上でふわふわと浮いている。
何処からか取り出した懐中時計を開き、見つめながら「では、【堕天裁判】開始」とにたりと微笑みながら、そう呟いた。

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これから会話文のターン！ここからはAさん視点でお送り致します。