【d!】Nightmare Cage【ﾛ兄鬼】 (ページ28)

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檻、弐拾捌ページ28

ゆらり
鴇色の髪を揺らしながら隅っこでべそべそ泣いている。
ゆらり
うるんだ瞳がこちらを見る。

もう二度と泣かせない。
そう決めたのに。彼女を泣かせているのは誰だろうね。
――間違いなく、俺たちだ。

だからこそ。守ると決めた。再度、
何度嘘つきだとか、守れていないと言われても何度でも口に出してみせる。

「アシュリーは俺が守るんで」

.

絶対に誰も傷付けたない。
守り抜いてみせる。

彼女を超えたかった。叶わなかった。それは今でもそうかもしれない。
でも俺は、俺なりのやり方で。

「絶対……仲間を守るんや。も、もう、誰も、傷付けさせへん……。」

.

ちょっと知ってしもたことがある。
何度も過ちを犯してしまっていること。
でも、大切な奴が、奴らがおるからこそ、
もう、何も

「……ワイは絶対に、もう壊させへん。絶対に、皆が可笑しくならんように。」

.

俺はそんなに強いわけじゃない。男の癖にアシュリーに負けてるなんて恥ずかしい。
守る力が欲しい。全てを壊してでも。
守りたい、アシュリーを、仲間を。喩え他を壊したとしても。

「……アシュリー、お前が一人で背負う必要は無い。俺、絶対お前のとこ守るから。」

.

俺に何かがあるのならきっと誰かを守ることが出来たんや。
ただ俺は強くない。故に、俺が表立って強くなれるのなら、どれだけ良かっただろう。

「……俺は……弱いままなら、皆を支えたいんや……せめてもの願いや……。少しでも強く……強く……。」

.

僕には何も無い。力も何も無ければ、前線に経ったって弱いまま。
無能。クズ。そんな言葉がぴったりな僕やけど、
守りたいものや支えたいものくらいあるんや。
僕やって男やし、時にはカッコイイ所を見せたい。

「俺やって……やれるわ！……男やし、……時には、有能になれるんや……、俺は……出来ることを、やる、皆の事、傷付けさせへん……！」

.

あぁ、俺は惨めや。
発言力があったとしても実質の力がない。
俺は変えてみたいんや、革命を起こしてみたいんや。
力が欲しい――全てを変える力を。

「俺が……俺が、王になる。全てを変えてやるんや。」